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陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載のLバンド合成開口レーダ(PALSAR;パルサー)による中国四川省で発生した地震に関する観測結果について(3)
平成20年5月12日(日本時間、以下同じ)に中国四川省で発生したマグニチュード8.0の大地震による被害状況を把握する為に、宇宙航空研究開発機構(以下JAXA)は、平成20年6月1日(同年5月31日UTC)に陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載のLバンド合成開口レーダ(PALSAR;パルサー)による現地の緊急観測を実施しました。本観測は、地震前の平成20年3月1日(同年2月29日UTC)に取得した同じ軌道からの画像を使用し、差分干渉処理によって地殻変動状況を把握いたしました。「だいち」は、南から北に向かって飛行し、合川(Hechuan)、遂寧(Suining)を含む、震央から約250km東の領域を観測しました(図3、図4)。
図1左は地震前と地震後の画像を比較した差分干渉画像、図1右は南北700kmにわたる地震後の画像を示したものです。
図2は変動が大きかった領域約200km×75km(図1中白枠内)を拡大したもので、断層運動による変動の様子をより細かく把握する事ができます。推定される震源断層の南北に大小の目玉状の変動領域が確認でき、この領域で大きな地殻変動があったことが分かります。これらの衛星による観測から、今回の地震に伴って大きな地殻変動が生じたことが確認できました。図4はこれまでに「だいち」によって観測された差分干渉画像です(一番右が今回)。JAXAでは今後も「だいち」による被災地の観測を継続していく予定です。
(注) 青 → 緑 → 黄 → 赤 → 青(青い領域から青い領域まで、ここまでで1周期=11.8cmの変動)の順番の色の変化は、衛星に近づく変動を表わします。関連記事
JAXA EORC