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改良型大気周縁分光計(ILAS)

ILAS logo

観測の概念

改良型大気周縁分光計(ILAS)観測の概念図
 環境庁が開発した、改良型大気周縁分光計(ILAS)は北極及び南極上空の成層圏オゾン層を観測するセンサです。ILASは、成層圏の各種現象を観測・研究し、CFCの世界的対策効果を検証します。
 ILASは太陽を光源として対流圏上部から成層圏の赤外(850-1610cm-1)及び可視(753-781nm)の2つのバンドでの大気の周縁方向の吸収スペクトルを測定する(太陽掩蔽法)分光計です。ILASは原型である宇宙開発科学研究所の「おおぞら」に搭載されたLAS(大気周縁分光計)の観測精度を高め、さらにオゾンホール現象などに関連する微量成分をも観測するために設計されています。ILASの観測領域は、太陽同期軌道での衛星-太陽-地球の位置関係から高緯度地域に限定されます。ILASは、赤外領域でオゾン(O3)、硝酸(HNO3)、二酸化窒素(NO2)、エアロゾル、水蒸気、フロン-11(CFC11)、メタン(CH4)、一酸化二窒素(N2O)等のオゾンホール現象に関連する大気微量成分を、また可視領域の酸素分子吸収線から気温、気圧を測定します。
 これらのデータは下部成層圏の冷却、それに伴うPSC(極域成層圏雲)の形成、窒素系リザーバー(HNO3,NO2等)の除去、活性化学種の化学反応によるオゾン減少等で特徴づけられるオゾンホール現象の多くの重要な物理的・科学的要因を含んでいます。そのためILASはオゾンホールに代表される成層圏の変動に対する90年代後半における観測研究に大きく寄与すると考えられます。

センサの特徴

スペクトルの適用範囲IR (850-1610cm, 6.21-11.77um)
Visible (753-784nm)
分光計Gratung Spectrometer with Lonear Linear Array Detector
スペクトルのデータサンプリングレート12MHz
IFOV2km垂線方向 x 13km水平線方向
観測パラメータO3, NO2, H2O), CFC11, CH4, N2O, aerosols, temperature, and pressure
観測領域N57-70程度, S60-85程度
重量140kg
出力<100W
サイズ800x1600x550mm

 ILASは、衛星の移動に伴い様々な接線高度を通過する大気周縁方向の吸収スペクトルを12Hzで測定します。各高度層の吸収(微量成分濃度)は一連の吸収スペクトル測定データから演算で決定されます。ILASは太陽光球の中心を追尾しますが、IFOV位置の高精度決定のための独自のIFOV位置決定センサを持っています。

改良型大気周縁分光計(ILAS)概要図


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地球観測データ解析研究センター

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最終更新日: 1998年2月5日