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ADEOSプロジェクト概要‐高性能可視近赤外放射計(AVNIR)


観測の概念

 高性能可視近赤外放射計(AVNIR)は、地表面から反射される可視域3バンド、及び近赤外域1バンドの太陽光を観測する光学センサです。可視域3バンドはそれぞれ青、緑、赤に対応し、近赤外線は植生観測に適しています。 AVNIRには空間分解能約16mのマルチスペクトラルバンドが4、空間分解能約8mのパンクロマチックバンドが1あります。
 観測領域は衛星進行方向と直交する方向の走査幅約80kmで、高分解能を達成するために10,000画素(マルチスペクトラルバンド)及び5,000画素(パンクロマチックバンド)の多画素を持つ大型リニアアレーCCDを採用しています。

高性能可視近赤外放射計(AVNIR) 観測の概念図

 走査幅が狭いため観測領域は制限されていますが、これを補償するために、衛星進行と直交する方向に±40度の広範囲で設定できるポインティング機能があります。OCTS同様に太陽光、内部光源による高精度の光学的校正機能もあります。

ミッション計画

 AVNIRは広範囲に渡り地表観測をする高分解能光学センサです。観測データは、植物や土壌の状態のより深い理解、及び熱帯林の砂漠化や減少などの環境問題の把握、現象解明に利用されます。陸地や都市では生活環境向上のため、人工建造物や植生分布などの観測データを使います。太陽反射光や放射などのデータは地球エネルギー収支の見極めに重要な役割を担っています。
 全ての地球環境問題は、地域/局所レベルが発生源となっているので、高分解能での現象の把握は重要な意味を持っています。

センサの構成/動作

 AVNIRは光学系からなる走査放射計ユニット(SRU)と、画像データ処理等のための電気回路ユニット(ELU)の2ユニットで構成されています。

高性能可視近赤外放射計(AVNIR) 概要図

 観測光は0.5度のドライブ角でポインティングミラーに反射します。集光・分光部の光学形式としては、シュミット屈折系を採用しています。分光はプリズムと干渉フィルタによって、マルチスペクトラルバンド4つとパンクロマチックバンドひとつに分けられます。
 光信号が電気信号に変換されると、CCDで読み出され、電気回路ユニット(ELU)へ出力されます。これは、主に画像データの処理に使われます。CCDは光信号の積分時間を変えられるので、暗部でも感度を維持できます。
 電気信号はプロセスアンプ部で増幅されたあと、デジタル化されます。デジタル信号は画像信号処理部からバス・モジュールへ伝送されます。伝送レート削減のため、マルチバンド観測データは約10%圧縮されています。


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地球観測データ解析研究センター

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最終更新日: 1998年2月5日