TRMMによって観測されたエルニーニョに伴う海面水温と降水量分布の変動を、2002年1月から11月について2月ごとに示しています。
この図はVIRSから推定された、月平均の海面水温の平年値からの偏差です。2002年のはじめ頃から、平年よりも水温の高い領域が徐々に西部熱帯太平洋から東側にシフトしていきました。11月にはペルー沖までの中・東部赤道太平洋上に平年よりも海面水温が2-3度高い領域が広がり、エルニーニョの状態となりました。
TRMMと静止気象衛星および地上雨量計のデータを組み合わせた複合プロダクト(TRMM and Others Combined)による、月平均降水量の平年値からの偏差です。海面水温の変化に対応して降雨の分布が変化している様子がわかります。7月には日本の南で雨が平年よりも多く、台風が多く発生しました。また、9月には降雨の中心が中部熱帯太平洋に移動し、11月には熱帯収束帯(ITCZ)の位置が南側にシフトしています。