- 日時: 2012/05/25(金) 10:00-17:30 ... リモートセンシング学会学術講演会の翌日
- 場所: リモート・センシング技術センター(RESTEC)本社 2F コンファレンスルーム1
- 共催: 一般社団法人 日本リモートセンシング学会
趣 旨
土地被覆は衛星リモートセンシングにおける最も古典的なプロダクトでありながら、今だに多くの研究上の問題があります。一方で、土地被覆は多くの応用分野で要望されています。実際、GEOSSの9つの社会利益分野のほとんどにおいて、土地被覆が重要な情報であるとされ、その総合的な優先順位は、降水・土壌水分・地上気温・地上風速に次いで5番目とされています(それ以外にも、優先順位30位以内に土地被覆関連の情報、例えば植生種、土地利用、積雪範囲、森林被覆などが8項目も入っています)。
JAXA/EORCは、ALOSシリーズやGCOMシリーズといった地球観測センサーを総合的に用いた応用研究を推進する一環として、土地被覆に着目し、[高解像度土地利用土地被覆図]を始めとするプロダクト開発を進めています。その一方で、土地被覆研究コミュニティとの連携を推進しており、2012年1月24日には第1回土地被覆ワークショップを開きました。そこでは、土地被覆研究に重要な精度検証、特に地上検証の手法に関する最近の情報交換を行いました。
それに続いて、今回、第2回の土地被覆ワークショップを企画します。今回は、JAXAの地球観測データ(主にALOS / AVNIR-2とGCOM-C / SGLI)を用いた土地被覆研究(と、そこからつながる応用研究)について、日本各地の研究グループと連携・協力することを検討したいと思います。
議 題
1. ALOS/AVNIR-2データを用いた土地被覆研究連携
日本各地で土地被覆研究を行なっているグループ(地域グループ)とJAXAが連携し、以下のことを行う:
- ALOS / AVNIR-2のシーン単位で重点的な活動地域を設定する。
- 教師(検証)情報を作成する。
- 教師(検証)情報を検証(品質チェック)する。
- 教師(検証)情報を共有・公開する。
- ALOS / AVNIR-2データを用いて、高精度の土地被覆分類図を作成し、それに基づく応用研究を行う。
地域グループは実利用ユーザー(生態・気象・防災・産業等)をメンバーに含むこと。ひとつの活動地域に複数の地域グループが乗り入れることを積極的に奨励する。それによって相乗効果を狙う。
2. 教師(検証)情報の統一的な取得・共有手法の検討と提案
グランドトゥルース時や空中写真・GoogleEarth等による教師(検証)情報の取得方法・整理方法・共有方法に関するグッドプラクティスを整備し、共通化する。
3. 超重点活動地域の展開:
1の重点活動地域における研究や実利用が発展する場合、その地域を、超重点活動地域と定義し、JAXAの地球観測計画において、様々なセンサーによる観測と地上検証を重点的に行う対象地域とする。
4. 地域プロダクトとグローバルプロダクトの連携
グローバルな土地被覆図の高精度化と検証は、各地のしっかりした地域研究グループの協力が重要になる。分類アルゴリズムの共通化や相互検証を行う。