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地球が見える 2009年

温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT)搭載センサ初観測データ(熱赤外域)の取得について

宇宙航空研究開発機構(JAXA)が、平成21年1月23日12時54分(日本時間)に種子島宇宙センターから打ち上げた温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT)については、計画通り衛星各部の初期機能確認を進めており、衛星の状態は正常です。初期機能確認の一環として、検出器を冷却する冷却機の機能確認が終了しましたのでバンド4の機能確認を行いました。この機能確認の中で、「いぶき」搭載の温室効果ガス観測センサ(TANSO-FTS)の熱赤外域の初観測データを取得しましたのでお知らせします。

図は、3月12日7時30分頃および8時20分頃(いずれも日本時間)に各々太平洋上南部およびアフリカを通過した際に「いぶき」搭載のTANSO-FTSの熱赤外のバンドで観測したデータです。 本年2月7日に取得した短波長赤外(バンド1〜3)の初観測データに続き、今回、熱赤外(バンド4)の観測データを取得したことにより、TANSO-FTSのすべての観測帯域で観測データの取得を確認しました。

また、「いぶき」の搭載センサの視野を地球から月に向け、校正を行うモードの動作確認を行った際に、「いぶき」搭載のモニタカメラが撮影した月の画像も合わせて示します。

今後も引き続き初期機能確認(打上げ後3か月間)を行った後、JAXA、国立環境研究所及び環境省は共同で、地上観測データとの比較などによるデータの精度確認や、データ補正等を行う初期校正検証作業を実施する予定です。

図1 「いぶき」搭載 TANSO-FTSのデータ(熱赤外)から求めた波長ごとの光の強さ(スペクトル)
温室効果ガス(二酸化炭素とメタン)は特定の波長の赤外線を吸収する特性があります。図1のグラフはいぶきの熱赤外(バンド4)での観測データから求めた波長ごとの光の強さ(スペクトル)を示しています。観測点1は、太平洋上の昼間の観測、観測点2はエジプトの夜間の観測データです。温室効果ガスの濃度が高いほど吸収が強くなります。短波長赤外(バンド1〜3)では主に太陽光の地表や雲からの反射光を測定するのに対し、熱赤外域では地球から放射される熱放射を測定するため夜間でも観測が可能です。それぞれのガスの吸収線が正しく現れており、二酸化炭素、メタンの昼夜の観測をできることが確かめられました。2月7日の短波長赤外の観測データ取得結果と合わせて、TANSO−FTSの短波長赤外及び熱赤外の全ての帯域で正常に機能することが確認できました。

図2 「いぶき」搭載 TANSO-FTSの観測データとシミュレーションデータの比較
図2は観測点1についての観測データとシミュレーションデータ(※)の比較です。両者の比較結果から、吸収線の位置が一致しており、分光性能は設計どおりであることが確認できました。各スペクトルごとの相対強度については今後地上の測定結果との照合などの校正作業を行うことで、その精度を確定していきます。

(※) NOAA(米国海洋大気庁)作成の海面水温データ、および、気象庁作成の格子点データを用いて、放射伝達モデル(LBLRTM)で計算したデータ

図3 「いぶき」搭載モニタカメラが撮影した月の画像



観測画像について:


観測衛星: 温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT)
観測センサ: 温室効果ガス観測センサ(TANSO-FTS)
観測日時: 2009年3月12日7時26分頃(日本標準時)
2009年3月12日8時23分頃(日本標準時)
TANSO-FTSは、赤外線の中でも広い波長範囲 (短波長赤外域〜熱赤外域)を観測し、観測精度を高めています。観測チャンネル数は約18,500にもおよびます。

関連サイト:
いぶき打ち上げ特設サイト
温室効果ガス観測技術衛星「いぶき(GOSAT)」
いぶき(GOSAT)、初観測データ
地球が見える 大気
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画像:人工衛星の情報を掲載 サテライトナビゲーター
画像:衛星利用の情報を発信 衛星利用推進サイト
画像:衛星から見た地球のデータ集
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