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地球が見える 2003年

初のGLI月平均海洋プロダクト(2003年4月分)


図は、2003年4月から始まったGLIの連続観測による最初の月平均海洋プロダクトです。このプロダクト(クロロフィルa濃度(A)、海面水温(B)、光合成有効放射量(C))と海洋生物モデルを用いることで、海洋植物プランクトンによる基礎生産力(D)が推定できます。

クロロフィルaとは、植物に含まれ光合成において重要な働きをする葉緑素の一種です。クロロフィルにはa,b,c,d,eなどがありますが、クロロフィルaはこの中でもすべての植物プランクトンに共通に含まれる(すべての藻類や陸上植物にも共通に含まれます)ので、海洋中の植物プランクトン量の良い指標になります。

光合成有効放射量とは、太陽光のうち光合成に利用されうる光の量を表します。これは太陽光を受けやすい赤道付近で最も高くなっています。一般的に、海洋の植物プランクトンは強光下では光合成能力が低下すると言われています。海洋植物プランクトンの光合成能力は、温度、栄養塩類等の環境条件、種や生理状態によって異なり、植物プランクトン自身が最適な条件で光を利用し、光合成を行います。したがって、光合成有効放射量が大きい場所が、必ずしも海洋植物プランクトンによる光合成活動が活発とは限りません。海洋の基礎生産力とは、海洋植物プランクトンが窒素・リンといった栄養塩、太陽光を得て光合成し、海水へ溶け込んだ二酸化炭素を取り込み固定する「単位時間単位面積あたりの炭素量」のことをいいます。

中高緯度帯の沿岸域で基礎生産が高くなっています。この海域では、河川水や岸に沿って流れる海流による上昇流(沿岸湧昇)によって栄養塩が豊富に供給されるため、基礎生産が高くなると考えられています。ペルー沖から赤道に沿って東西に細長く伸びる海域でも基礎生産が高くなっています。この海域では、西向きの貿易風によって上昇流(赤道湧昇)が起こり、深層から豊富な栄養塩が周辺海域よりも多く供給されることによって植物プランクトン濃度が増加し、基礎生産が高くなります。また、中高緯度帯では日射の増加に伴い4月頃に植物プランクトンのブルーム期(年間で最も植物プランクトンの増加が大きい時期)を迎えます。太平洋・大西洋における北緯30-40度付近の高い基礎生産は、この植物プランクトンブルームの影響によるものと考えられます。海洋の基礎生産力がどのようになっているのか理解することは、地球温暖化に関わる海洋の炭素循環の解明、さらに植物プランクトンは食物連鎖を通じてイワシやマグロなど多くの魚類のエサとなるため、水産資源の保護及び管理等にも非常に重要です。

GLIは可視から熱赤外まで36チャンネルの観測波長帯を持っていますが、クロロフィルa濃度(A)の算出に当たっては可視域のチャンネル4 (443nm)、チャンネル5 (460nm)、チャンネル7 (520nm)及びチャンネル8 (545nm) のデータを用いています。その際、近赤外域のチャンネル15 (710nm)とチャンネル19 (865nm)のデータを大気補正のために使用しています。また、光合成有効放射量(C)についてはチャンネル4、5、7、8、13 (678nm)などのデータを用いています。海面水温(B)の算出には熱赤外域のチャンネル34 (8.6μm)、チャンネル35 (10.8μm)及びチャンネル36 (12.0μm)のデータを用いています。
なお、基礎生産の意味や炭素固定量推定の意義などについては、 EORC内の海洋プロジェクトページ を参照願います。

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