TRMM/PRによる地表面降雨分布の気候学的な月平均値。期間は1997年12月〜2014年10月までの約17年間。単位は mm/30days。
地表面降雨分布を月毎に見てみると、季節によって降雨量の位置や強さが変化していることがわかる。 熱帯収束帯(ITCZ)は北半球の夏(6〜8月)に活発化しており、他方、南太平洋収束帯(SPCZ)は、南半球の夏(12〜2月)に活発化して、雨域も南東方向に拡がっている。 さらに3〜4月に東部太平洋上においてITCZが北半球だけでなく南半球にも分布している特徴がある。
亜熱帯〜中緯度では、季節による雨の分布の違いがさらに大きくなる。 降雨量は通常、夏半球で多く、北半球の夏季には、アジアモンスーンによって、インドから東南アジア、日本を含む東アジアにかけての広い範囲に雨が分布する。 特に、アジアモンスーンの風系の南西風により、インドシナ半島の西海岸や、インド亜大陸の西海岸に、顕著な多雨地域が集中している。逆に、北半球の冬季には、これらの地域では雨が少ない。 例えば、アフリカ大陸では、サハラ砂漠とその周辺は年間を通して雨はほとんど降らない。 他方、南緯10度以南の南半球では、季節による違いが大きく、夏季に雨が多く降る。南米大陸でも同様であり、ブラジルの南部からアルゼンチンにかけての地域でも夏季に雨が多い。