TRMM/PRによる地表面降雨分布の気候学的な月平均値。期間は1997年12月〜2014年10月までの約17年間。単位は mm/30days。
熱帯太平洋やインド洋では全ての季節を通じて雨が多い。 また太平洋と大西洋の赤道近く(北緯5〜10度)で熱帯収束帯(ITCZ)と呼ばれる降雨量の多い領域がある。 熱帯南太平洋にも降雨量の多い領域があり、南太平洋収束帯(SPCZ)と呼ばれる。一方、緯度10度から20度の大陸西岸の海洋上では、亜熱帯高気圧が発達して降雨が少ない。 赤道東部太平洋に、赤道湧昇の影響を受けた冷舌と呼ばれる海面水温が低く、降雨量が少ない海域がある。
さらに大陸東岸の中緯度海洋上に降雨量の大きい領域がある。 これはストームトラックと呼ばれる移動性総観規模擾乱(高低気圧波)の活動が活発な領域で、特に冬半球で擾乱に伴って前線性の降雨が観測されるためである。
大陸上ではアフリカ大陸や南アメリカ大陸の熱帯域上で降雨量が多く、アフリカ大陸北部のサハラ砂漠やアラビア半島では降雨量が少ないことがわかる。