サイエンスプログラム - 実現の方法·体制及びスケジュール


3.1 一般的な目標
サイエンス及び利用化研究推進プログラム(以降推進プログラムと呼ぶ)を通じて、サイエンスや利用化研究のどの分野にどのような貢献をすべきか、そのために必要なデータプロダクト、アルゴリズムは何かを、主要分野ごとに以下に整理する。なお、分野の選定に関しては、IGBPにおけるコアプロジェクトの分類を参考にした。

1) 一般的な目標
多様な分野において研究を推進する必要があり、研究のターゲットが必ずしも絞りきれないことから、RAをベースに推進する。その際、その評価と成果の吸い上げ(処理ソフトなどへの反映)を体系的・システマチックに行うことにより、ALOSデータ利用者への成果還元を迅速化する。

2) 戦略目標
EORCを中心とした研究者チームにより推進することを基本とする。EORCにおける研究者リソースが十分でない場合には、外部研究機関との共同研究や、委託研究により推進する。さらにRAで補完する。この場合、RAにより有望な成果が挙がった場合には、それを共同研究や委託研究の枠組みの中に取り入れ、一層強力に推進する。

3) 補完的な方策
ALOSのデータプロダクトなどに関してパンフレットやホームページにより一般的なPRを推進するだけではなく、具体的なデータの配布やデモプロジェクトによる啓蒙を行う。なお、標準テストデータなどは、PIだけでなく、一般に広く流通するように配慮する。これにより、いわゆる研究者コミュニティだけでなく、研究開発や企画的な業務に就いている実務者コミュニティの拡大を図る。

4) サイエンスプログラムの定期的な見直し

サイエンスプログラムの目標、達成度などを定期的にレビューし、必要に応じて改訂を行う。

3.2実現方策・体制とスケジュール

1) RAによる方法
RAによる方法は、幅広い分野の研究者に研究機会を与えることができることから、多様な分野で成果が期待できること、萌芽的、独創的な研究成果を発掘できる可能性が高いことなどの利点がある。ただし、研究者一人あたりに配分できるリソースは画像データなどに限られるため、本格的・体系的な研究・開発を進めるためには、委託研究などの方策を併用することが必要になる。

RAは以下のように、2回実施する。
第1回:1999.8発出、選定/2000年3月までに契約、期間3年間(3年経過時中間評価実施)
第2回:2001.8年発出、選定/2002年3月までに契約、期間3年間

なお、RAの募集から研究成果のとりまとめに至る作業は以下のような過程からなるが、その際、NASDA外部の専門家からなるALOSデータ利用推進グループ(以降推進G略す)を設立し、下記に示す研究公募(RA)の作成からPIとの契約及び成果物の評価までの一連作業の中で(イ)、(ニ)、 (ホ) の作業を支援する。なお(ヘ)項ではALOSデータ利用研究評価委員会で評価・採点をお願いする。(ト)では(ヘ)項の評価採点結果からRA選定会議(NASDA及び中立な立場の有識者)により、最終選考を実施する。

(イ) RAの作成(推進 G / EORC)
(ロ) RAの発出(EORC)
(ハ) プロポーザル収集(EORC)
(ニ) プロポーザル内容確認(推進 G / EORC)
(ホ) ALOSデータ利用研究評価委員会のメンバーの選考、評価採点要領作成(推進 G / EORC)
(ヘ) PIの評価採点(ALOSデータ利用研究評価委員会)
(ト) 最終選考(RA選定会議)
(チ) PIとの契約(EORC)
(リ) PIからの成果物の指導/評価採点(委員会)/最終選考レビュー

2) EORCを中心とした研究チームによる方法
戦略的な研究目標に対して、EORC内に研究チームを組織し、研究を実施する。必要に応じて外部の専門家を、非常勤招聘研究員などの形で招聘し、研究の方向付けなどに関する指導を受ける。

3) 外部研究機関との共同研究、あるいは研究委託による方法
戦略的な目標に関して、EORC内に研究チームを設けることが資源的な制約により困難と考えられる場合や、外部の研究機関が非常に優れた研究蓄積・能力があると認められる場合には、共同研究や委託研究により、研究を推進する。

4) 成果の迅速な公開・反映方法<
データセットの成果の公開についてはEORCのホームページにALOS DATAを開設する。処理システム・ソフトウェアへの迅速な反映、改訂されたソフトの履歴管理を実施する。
開発されたアルゴリズムやソフトウェアに関しては、技術サポートなどをより容易に行えるように民間企業を通じて、販売を行い、利用者が自らより高次の成果物を作成できる環境を整備する。その際、最新の軌道パラメータなどをネットワーク経由でダウンロードできるようにするなどのサポート体制の充実を図る。

5) プロモーションの方策

(1) テストデータセット(画像データ、評価検証用データ)の広範な配布と、研究成果の相互比較(コンペ)の実施。
打ち上げ前には、正確な地形標高データなどの検証用データセットに加え、日本国内の特定地域のシミュレーションデータセットを作成し、それをRAやアルゴリズム評価用に利用する。打ち上げ後は、実データを追加するほか、地域の拡大を図る。

(2) シンポジウム・ワークショップの開催
ALOSデータの利用に関する国際的・学際的な研究者コミュニティの形成を促進するためにシンポジウムやワークショップを開催する。その際、いわゆる学術研究をおもな対象とするシンポジウム・ワークショップ以外に、実利用化をターゲットとした研究に特化したシンポジウムなども開催する。以下に、RAに関係するシンポジウム・ワークショップ開催の大まかなスケジュールを整理する。
イ)第1回シンポジウム・ワークショップの開催(打ち上げ1年前程度):ALOSの宣伝と選定されたRAの研究方針・計画などの議論を行う。
ロ)第2回シンポジウム・ワークショップ(打ち上げ後1年程度):第1回RAの成果報告と、第2回RAの選定報告も兼ねる。
ハ)第3回シンポジウム・ワークショップの開催:第2回RAの成果報告を行う。 上記以外に、テーマを絞ったワークショップなどを開催する。

(3) デモプロジェクトの実施
NASDAの成果(PIの成果を含む)をまとめ、実利用機関やメーカの研究者にトレーニングを定期的に開催する。なお一般については仮称「データ利用推進センター」等でトレーニングを実施する。こうしたトレーニングプロジェクトと平行して、実利用を推進するためのモデルケースを開発するデモプロジェクトを必要に応じて、実施する。

(4) データセットの配布・流通
PI研究者向けには、EORCから無償で配布する。
ALOSデータの実利用を図る企業及び一般利用については仮称「データ利用推進センター」等で実費配布を行う。

(5) その他の一般的なPR・啓蒙
注目される成果を集め、テレビニュース、雑誌、新聞等に投稿するほか、Earth View等のパンフレットやCD-ROMの製作・配布などを行う。

その他

PALSARは通産省との共同開発で進めており、エネルギー資源分野を中心とした利用は通産省で推進される。

サイエンスプログラムは、3年に一度程度、RAの発出等の機会に見直すこととする。