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「だいち4号」(ALOS-4)による観測画像紹介(オホーツク海の海氷)
Posted:Apr. 23, 2025, 07:30 (UTC)

図1 「だいち2号」PALSAR-2広域観測モードおよび「だいち4号」PALSAR-3高分解能モードによる観測範囲
(□図2のPALSAR-2観測範囲、□図3のPALSAR-3観測範囲)
(□図2のPALSAR-2観測範囲、□図3のPALSAR-3観測範囲)

図2 「だいち2号」PALSAR-2によるオホーツク海の海氷観測画像
(2025年3月2日観測、広域観測モード、観測幅350km、入射角約47度、偏波HHおよびHVを用いてカラー合成表示)
(2025年3月2日観測、広域観測モード、観測幅350km、入射角約47度、偏波HHおよびHVを用いてカラー合成表示)

図3 「だいち4号」PALSAR-3によるオホーツク海の海氷観測画像
(2025年2月27日観測、高分解能3mモード、観測幅200km、入射角約34度、偏波HHおよびHVを用いてカラー合成表示)
(2025年2月27日観測、高分解能3mモード、観測幅200km、入射角約34度、偏波HHおよびHVを用いてカラー合成表示)

図4 海氷観測画像の拡大図1(上:PALSAR-2画像、下:PALSAR-3画像、縮尺1:100000)

図5 海氷観測画像の拡大図2(上:PALSAR-2画像、下:PALSAR-3画像、縮尺1:50000)
JAXAが運用する「だいち2号」に搭載されるSAR(合成開口レーダ)は、雲を透過して海洋を観測することができるため、オホーツク海の海氷監視に役立てられてきました。
「だいち2号」が取得した海氷観測画像は、海上保安庁による「海氷速報」に利用されています。本稿では、「だいち4号」に搭載されるSARが海氷を観測した一例を紹介します。
図1は「だいち2号」および「だいち4号」に搭載されるSARにより観測された範囲(□図2のPALSAR-2観測範囲、□図3のPALSAR-3観測範囲)を示します※1。 図2は「だいち2号」搭載PALSAR-2の広域観測モード(100m分解能)で2025年3月2日に、図3は「だいち4号」搭載PALSAR-3の高分解能モード(3m分解能)で2025年2月27日に取得されたオホーツク海の海氷観測画像です。 図4は図2と図3各画像の黄色枠内の拡大図、図5は図4各画像の水色枠内の拡大図です。
これらのSAR画像は2偏波※2の画像を用いて疑似的にカラー合成表示されています。 このカラー合成画像では、海氷は明るい紫色、裸地や水面は暗い紫、植生が緑色で表されています。 偏波情報を用いることで、海氷の様子を容易に判別することができます。 PALSAR-3の3m高分解能モードでは、2偏波(200km観測幅)または4偏波観測(100km観測幅)が可能となりました。 これにより、海氷の空間分布だけでなく、面積や密接度といった海氷の状況をより詳細に観測できることが期待されます。 例えば、図5のPALSAR-3画像では、海氷表面の様子を細かく観察することができます。 さらに、「だいち4号」と「だいち2号」の並行運用により観測頻度が向上し、両衛星から得られるデータを活用することで、海氷監視の精度や更新頻度の向上が期待されます。
図1は「だいち2号」および「だいち4号」に搭載されるSARにより観測された範囲(□図2のPALSAR-2観測範囲、□図3のPALSAR-3観測範囲)を示します※1。 図2は「だいち2号」搭載PALSAR-2の広域観測モード(100m分解能)で2025年3月2日に、図3は「だいち4号」搭載PALSAR-3の高分解能モード(3m分解能)で2025年2月27日に取得されたオホーツク海の海氷観測画像です。 図4は図2と図3各画像の黄色枠内の拡大図、図5は図4各画像の水色枠内の拡大図です。
これらのSAR画像は2偏波※2の画像を用いて疑似的にカラー合成表示されています。 このカラー合成画像では、海氷は明るい紫色、裸地や水面は暗い紫、植生が緑色で表されています。 偏波情報を用いることで、海氷の様子を容易に判別することができます。 PALSAR-3の3m高分解能モードでは、2偏波(200km観測幅)または4偏波観測(100km観測幅)が可能となりました。 これにより、海氷の空間分布だけでなく、面積や密接度といった海氷の状況をより詳細に観測できることが期待されます。 例えば、図5のPALSAR-3画像では、海氷表面の様子を細かく観察することができます。 さらに、「だいち4号」と「だいち2号」の並行運用により観測頻度が向上し、両衛星から得られるデータを活用することで、海氷監視の精度や更新頻度の向上が期待されます。
※1PALSAR-2およびPALSAR-3は、衛星進行方向に沿って画像を取得することが可能です。
図1~図3では、およそ南北方向に連続的に取得されているデータのうち、一部の画像のみを表示しています。
※2PALSAR-3は、電界が地面に対して水平向きに振動する「水平偏波(H)」と、垂直向きに振動する「垂直偏波(V)」の2種類の電波を観測に使用でき、今回用いている2偏波観測(HHおよびHV)では、衛星から地表に電波を照射する際にはH偏波を送信し、地表からの反射波を受信する際にはHとVを同時に受信します(それぞれHH偏波、HV偏波と呼ぶ)。
ここでは、HH偏波を赤および青色、HV偏波を緑色に割当て、三原色によるカラー合成をしています。
JAXA EORC