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ベネズエラ地震の観測結果について
概要
- 2026年6月25日(日本時間)に南米ベネズエラの首都カラカス西部でマグニチュード7.2と7.5の地震が連続して発生し、建物損壊による多数の被害が発生しました。
- JAXAでは、国際災害チャータからの要請を受け、地震発生直後の6月30日に「だいち2号」による緊急観測を実施し、関係機関へのデータの提供を実施しました。
- 関係機関やJAXAによる解析結果から、震源周辺からカラカス西部までの140㎞を超える広い範囲で地震に伴う顕著な地殻変動が検出されました。
- これらの解析で用いたALOS-2広域観測モードのデータはこちらから無償で公開しており、どなたでも利用可能です。
はじめに
2026年6月25日7時4分頃(日本時間、以下同じ)に、南米ベネズエラの首都カラカス西部を震源とするマグニチュード7.2(アメリカ地質調査所(USGS)推定*1)の大きな地震が発生し、その39秒後にマグニチュード7.5(USGS報告)の地震が連続して発生しました。JAXAは国際災害チャータ(災害発生時に地球観測衛星の画像を国際的に提供し合う防災枠組み)からの要請に基づき、「だいち2号」(ALOS-2)搭載の合成開口レーダ「PALSAR-2」よる緊急観測を行い、データを関係機関に提供しました。図1に今回の観測範囲、表1に観測データの詳細を示します。

| 観測日時(日本時間) | 衛星 | パス番号 | 観測モード | ビーム番号 | 軌道・観測方向 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| (1) | 6月30日1時23分 | だいち2号 | 135 | ScanSAR | W2 | 降交・右 |
| (2) | 6月30日13時39分 | だいち2号 | 40 | ScanSAR | W2 | 昇交・右 |
JAXAにおける解析例
1) 6月30日1時の観測結果
図2は、2026年6月16日(地震前)と2026年6月30日(地震後)の観測データを用いた干渉SAR画像*3です。この観測では、およそ東側から西方向に電波を照射して観測しており、画像の青→ピンク→黄色の変化は地表が衛星から遠ざかる方向(西向きまたは沈降)、青→黄→ピンク色の変化は地表が衛星に近づく方向(東向きまたは隆起)に動いたことを示します。本解析では電離層に起因する位相変化を補正していますが、画像全体に及ぶ色の変化は地殻変動以外の位相変化である可能性があります。
図3は干渉SAR画像から作成した地殻変動図です。サンセバスチャン断層の南側では最大35㎝程度の遠ざかる変動、断層北側では最大25㎝程度の近づく変動が検出されました。
2) 6月30日13時の観測結果
図4は、2025年1月14日(地震前)と2026年6月30日(地震後)の観測データを用いた干渉SAR画像です。この観測では、およそ西側から東方向に電波を照射して観測しており、画像の青→ピンク→黄色の変化は地表が衛星から遠ざかる方向(東向きまたは沈降)、青→黄→ピンク色の変化は地表が衛星に近づく方向(西向きまたは隆起)に動いたことを示します。解析結果には地殻変動以外の位相変化やノイズが含まれており、定量的な地殻変動量の検出には更なる解析が必要です。
JAXAでは引き続きこの地域の観測を継続する予定です。