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「だいち2号」による長野県南木曽町で発生した土砂災害の観測結果について
宇宙航空研究開発機構 (以下、JAXA) は、2014年7月11日12時52分頃に、陸域観測技術衛星「だいち2号」(ALOS-2) 搭載のLバンド合成開口レーダ (PALSAR-2;パルサー2) により長野県木曽郡南木曽町で発生した土砂災害の観測を行いました。
図1に、今回のPALSAR-2での観測範囲 (赤枠) と「だいち2号」の軌道 (青線) を示します。
図2は南木曽町付近の約3km四方の範囲について、PALSAR-2の高分解能 [3m] モード (2偏波) で観測したカラー合成画像です。赤色にHH偏波、緑色にHV偏波、青色にHH偏波とHV偏波の比を割り当てたもので、明るい紫色に見える領域は建物や河岸からの散乱を表し、緑色に見える領域は主に森林を表しています。図中の○印は、土石流が到達した場所を示していますが、画像では暗く見えます。
図3は図2のカラー合成画像と陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS) 搭載のパンクロマチック立体視センサ (PRISM) から作成した地形情報 (数値地表モデル) を重ねて作成した鳥瞰図です。現地は急峻な地形であることが分かります。
図4は、2010年8月12日に「だいち」搭載のPALSARによる観測画像 (オフナディア角34.3度) と今回の「だいち2号」PALSAR-2による観測画像 (オフナディア角52.1度) の比較を示しています。図中の○印は、土石流が到達した場所を示します。災害後のPALSAR-2画像では、土石流が到達した領域が暗くなっていることが分かります。
観測されたPALSAR-2画像は国土交通省国土技術政策総合研究所等、国内防災関連機関へ提供しました。
JAXA EORC