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「だいち2号」による平成26年 (2014年) 台風11号豪雨災害の観測結果
宇宙航空研究開発機構 (以下、JAXA) は、2014年8月10日11時57分頃 (日本標準時刻)、陸域観測技術衛星「だいち2号」(ALOS-2) 搭載のLバンド合成開口レーダ (PALSAR-2;パルサー2) を用いて、平成26年台風11号による豪雨災害に対する観測を行いました。図1に今回のPALSAR-2による観測範囲 (赤枠)を示します。
図2は、高知県、徳島県付近をPALSAR-2の高分解能[3m]モード (HH偏波) で観測した画像です。「だいち」搭載のPALSARによる過去画像との比較の結果、変化があったと思われる箇所を図2内の黄枠部分で示しました。黄枠部分を拡大した画像を図3から図5に示します。
図3は、高知県仁淀川沿いの「いの町」付近の拡大画像で、今回の「だいち2号」PALSAR-2による観測画像 (オフナディア角44.7度) と2009年6月30日の「だいち」搭載PALSARによる観測画像 (オフナディア角43.4度) をそれぞれ示しています。この図で色が暗くなっている箇所は、後方散乱(画像の明るさに相当)が小さい箇所を示しています。
合成開口レーダ(SAR)では一般に水面などの平坦な面は暗く写る傾向があります。図3の左右の画像を比較すると、黄色い円の中で暗い領域が広がっており、台風に伴う豪雨により増水したり冠水したりしている可能性が考えられます。
観測されたPALSAR-2画像は内閣府(防災担当)、国土交通省等、国内防災関連機関へ提供しました。
JAXA EORC