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「だいち2号」による鹿児島県口永良部島新岳火山の観測結果について (インターフェロメトリによる観測)
宇宙航空研究開発機構 (以下、JAXA) は、2014年8月21日00時38分頃(日本標準時刻)、陸域観測技術衛星「だいち2号」(ALOS-2)搭載のLバンド合成開口レーダ(PALSAR-2;パルサー2)を用いて、鹿児島県口永良部島新岳(くちのえらぶじましんだけ)火山の観測を行いました(図1参照)。本観測は、2014年8月7日の観測の際と同じ軌道を14日後に通ったもので、これら2つの観測からPALSAR-2の差分干渉処理を行うことができます。
図2にこれら2つの画像を示しますが、この2画像のみから14日間の地形の微小な変化(火口を含む)を確認することは困難です。一方、差分干渉SARは衛星と地表面の距離の変化を数cm精度で面的に把握することができるため、地殻変動の検出に最適なものです。図3は差分干渉処理結果であり*、島全体の14日間の地形の変化を示したものです。本図から、新岳火口は丸く薄紫色であり (白丸内、直径は約350m) 、約2cmの衛星-地表間距離の変化が見られます。斜めに観測した角度(入射角)が60°のため、横方向の変化が無いと仮定した場合、火口は約4cm沈降した可能性があります。 (図3の距離変化はスケールバーの色に対応しますが、その範囲は半波長の11.9cmになります)
処理に関しては、軌道推定したGPS単独測位軌道と国土数値情報(50m)を使用し、大気補正は行っていません。
JAXA EORC