画像ライブラリー
「だいち2号」による広島市土砂災害の観測結果(2)
宇宙航空研究開発機構 (以下、JAXA) は、2014年8月26日23時30分頃(日本標準時刻)、陸域観測技術衛星「だいち2号」(ALOS-2) 搭載のLバンド合成開口レーダ (PALSAR-2;パルサー2) を用いて、2014年8月20日に発生した広島県広島市の土砂災害地域の観測を実施しました。
図1に今回のPALSAR-2による観測範囲 (赤枠) と「だいち2号」の軌道 (青線) を示します。
図2は、広島市の土砂災害の被害地域を観測したPALSAR-2の高分解能[3m]モード (2偏波) を用いて、偏波合成により作成したカラー合成画像です。赤枠で示した領域は土砂災害の被害の大きかった地域で、以下に検出結果を示します。
図1: 観測範囲(赤枠)と衛星軌道 (青枠)
図3は土砂災害の被害が大きかった安佐南区のPALSAR-2と、2010年9月14日に「だいち」(ALOS) 搭載のLバンド合成開口レーダ (PALSAR;パルサー) により同地域を観測したHH偏波画像の比較結果です。図4は、図3を用いて、土砂災害が発生した地域の代表的な地形の線状構造(リニアメント)(注)を手動で抽出して赤線で重ねた結果です。PALSAR-2の画像より抽出した結果からは、PALSARからはできなかった新たなリニアメント(橙線)が抽出されており、土砂災害に伴う地形変化の影響と考えられます。
SARは斜めに観測する為に山の稜線が明るく筋状に現れます。
図5、図6は同様に安佐北区の高松山付近において地形のリニアメントの変化を抽出した結果です。PALSAR-2の画像から新たなリニアメント(橙線)が抽出されており、土砂災害に伴う地形変化の影響と考えられます。
SARは斜めに観測する為に山の稜線が明るく筋状に現れます。
観測されたPALSAR-2画像は国内防災関連機関へ提供しました。
JAXA EORC