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「だいち2号」による2020年7月九州豪雨の緊急観測結果について（2）
2020年7月6日17時 掲載：「だいち2号」による2020年7月九州豪雨の緊急観測結果について（別ページ）
2020年7月7日17時 追記：7月4日、5日、6日の観測による浸水域推定結果のアニメーション （別ページ）
2020年7月8日19時 追加：（本ページ）
2020年7月9日12時 追記：7月5日から8日にかけての「TE-Japan」氾濫面積割合（図2） （本ページ）
概要
- 2020年7月3日から続いた豪雨で、九州を中心に河川の氾濫や土砂災害が発生した。
- JAXAでは国土交通省からの要請に基づき、7月7日23時30分頃（日本時間）に「だいち2号」による観測を実施した。
- これらの観測データから、浸水域の抽出を試みた。
梅雨前線の活動の活発化や低気圧の発生にともない、2020年7月3日から続いた豪雨によって、九州地方を中心に河川の氾濫や土砂災害の被害が発生しました。JAXAは、国土交通省からの要請に基づき、7月7日23時30分頃（日本時間）に「だいち2号」(ALOS-2)搭載のLバンド合成開口レーダ「パルサー2」(PALSAR-2)による緊急観測を実施し、国土交通省などの防災関係機関等にデータを提供しました。図1に今回のPALSAR-2による観測範囲を示します。
図1：「だいち2号」PALSAR-2の2020年7月7日23時30分頃の観測範囲
図2は、JAXAが東京大学と共同で開発を進めている陸面シミュレーションシステム「Today’s Earth(TE)」の日本域高解像度版「TE-Japan」*1で提供されている氾濫面積割合データの、2020年7月5日から8日（日本時間5日午前9時～8日午前9時）にかけてのアニメーションです。筑後川を中心に、九州の広い範囲で氾濫の危険性が高まっていたことが分かります。
図2：陸面シミュレーションシステム「TE-Japan」による2020年7月5日から8日にかけての氾濫面積割合のアニメーション 図中の時刻（00:30Zなど）は世界標準時で、これに9時間を足すと日本時間
図3は、今回のPALSAR-2の観測データから推定した浸水域（水色）を示します。これは、「だいち2号」の緊急観測データ、「だいち2号」がこれまで観測した過去データ、および「TE-Japan」氾濫面積割合データを組み合わせて自動的に推定したものです。この推定結果には、農地の通常の湛水など、今回の河川氾濫に関係しない変化も含まれている可能性があります。図4は図3のうち、福岡県久留米市、小郡市、大刀洗町、朝倉市周辺の拡大図です。
図3：2020年7月7日23時30分頃の「だいち2号」PALSAR-2データから推定した浸水域（水色）
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図4：図3のうち、福岡県久留米市、小郡市、大刀洗町、朝倉市周辺の拡大図
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今回の災害で被害にあわれた全ての方々に心よりお見舞い申し上げるとともに、JAXAでは今後も要請に応じて九州の観測を継続する予定です。
JAXA EORC