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令和8年熊本地震の観測結果について
概要
- 2026年7月28日(日本時間)に熊本県熊本地方でマグニチュード7.1の地震が発生し、建物や道路の損壊による多数の被害が発生しました。
- JAXAでは、国内防災機関等からの要請を受け、地震発生直後の7月28日深夜から「だいち2号」および「だいち4号」による緊急観測を実施し、関係機関へのデータおよび解析結果の提供や、アーカイブデータの公開を実施しました。
- 関係機関やJAXAによる解析結果から、日奈久断層帯周辺において地震に伴う顕著な地殻変動が検出されました。
- 本緊急観測の「だいち2号」と「だいち4号」のデータはこちらから無償で公開しており、どなたでも利用可能です。
はじめに
2026年7月28日16時27分頃(日本時間、以下同じ)に、熊本県熊本地方を震源とするマグニチュード7.1(最大震度7,気象庁報告)の大きな地震が発生しました。JAXAは国内防災機関等からの要請に基づき、JAXAが運用する「だいち2号」(ALOS-2)搭載の合成開口レーダ「PALSAR-2」と、「だいち4号」(ALOS-4)搭載の合成開口レーダ「PALSAR-3」による緊急観測を行い、データおよび解析結果を関係機関に提供しました。図1に今回の観測範囲、表1に観測データの詳細を示します。

| 観測日時(日本時間) | 衛星 | パス番号 | 観測モード | ビーム番号 | 軌道・観測方向 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| (1) | 7月28日23時30分 | だいち2号 | 124 | Stripmap 3m | U3-11 | 昇交・左 |
| (2) | 7月29日12時59分 | だいち2号 | 29 | Stripmap 3m | U2-9 | 降交・左 |
| (3) | 7月30日0時18分 | だいち4号 | 131 | Stripmap 3m | UW02-8,9 | 昇交・右 |
JAXAにおける解析例
1) 日奈久断層帯周辺の地殻変動
図2は、地震前後の観測データを用いた差分干渉画像(*3)です。画像の青→ピンク→黄色の変化は地表が衛星から遠ざかる向きに変動したこと、青→黄→ピンク色の変化は地表が衛星に近づく方向に変動したことを示します。
図2左の観測では、およそ東側から西方向に電波を照射して観測しています。このため、衛星から遠ざかる方向の変動は沈降または西向きの変動を、衛星に近づく方向の変動は隆起または東向きの変動を示します。図2中央および図2右の観測では、およそ西側から東方向に電波を照射して観測しており、衛星から遠ざかる方向の変動は沈降または東向きの変動を、衛星に近づく方向の変動は隆起または西向きの変動を示します。
熊本市南部に密集している干渉縞は、今回の地震に伴う日奈久断層帯周辺の地殻変動を示しています。「だいち4号」の結果(図2右)では、断層の北西側で衛星から遠ざかる方向に約1mの地殻変動(沈降または東向きの変動)が、断層の南東側で衛星に近づく方向に約20㎝の地殻変動(隆起または西向きの変動)が検出されました。
差分干渉画像のKMZファイルのダウンロード
※オンボード軌道暦および対流圏遅延補正は未実施であり、画像全体に長周期の干渉縞が残存しているため、ご利用の際はご注意ください。
2) 八代平野周辺の拡大図
図2(右)の「だいち4号」の結果について、八代平野周辺を拡大した画像を図3に示します。八代海に面した平野部や断層に近い場所では、干渉縞に複雑なパターンが生じている箇所が多く見られ、液状化などの局所的な地盤変動が生じていることが示唆されます。
3) 雲仙岳周辺の解析結果
図4は、地震前後の差分干渉画像について、雲仙岳周辺を拡大したものです。平成新山の溶岩ドーム周辺では、図4左図と右図のいずれにおいても、衛星から遠ざかる方向に約6㎝の変動が検出され、沈降を示しています。また、表層剥離が観測された眉山周辺では、干渉性の低下に伴う不規則な位相変化が検出されています。本解析では、画像全体に及ぶ位相変化を補正していますが、地殻変動以外の位相変化が残存している可能性があり、今後さらなる詳細な解析が必要です。
関連リンク
JAXAでは引き続きこの地域の観測を継続する予定です。




