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陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)によるチリの大地震の経過観測

2010年2月27日15時34分(日本時間、以下同じ)頃、チリ中部の沿岸(チリの首都サンチアゴの南西325km)を震源とするマグニチュード8.8の地震が発生しました。宇宙航空研究開発機構(JAXA)ではこれまで災害状況把握を目的として、陸域観測技術衛星「だいち」による観測を実施してきました。その後の復興状況の把握を目的として、2010年4月14日(水)23時51分頃に「だいち」(ALOS)搭載光学センサの高性能可視近赤外放射計2型(アブニール・ツー)による観測を実施しました。

図1は今回観測したチリの首都サンチアゴ周辺の様子を示したもので、アブニール・ツー画像のバンド3, 2, 1を使ったトゥルーカラー合成画像で表示しており、人の目で見た色に近くなっています。1回帰(46日)前の2010年2月27日の地震発生から約8時間後に同地域を観測したアブニール・ツー画像ではサンチアゴの北西部に黒煙が広がっている様子が確認できました。
図1: 2010年4月14日に観測したアブニール・ツー画像
図1: 2010年4月14日に観測したアブニール・ツー画像
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観測日時: 2010年4月14日 23時51分頃(日本時間) センサ: AVNIR-2(アブニール・ツー) ポインティング角度: 0.0° 黄枠: 図2の拡大画像の範囲

図2: 火災現場の拡大(それぞれ6km四方) 左:2010年4月14日、中:2010年2月27日(地震直後)、右: 2009年2月24日(地震前)
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図2は2月27日の緊急観測でもっとも煙の色が濃い箇所を拡大したもので、左から2010年4月14日、2010年2月27日、地震発生前の2009年2月24日のアブニール・ツーによる観測画像です。4月14日の画像を地震前の画像と比較すると、該当の場所は黒く焼けているように見えることから、工場のような建物で火災が発生したと考えられます。なお、この火災が今回の地震と関連するものかどうかは不明です。

JAXAでは今後も当該地域を継続して観測する予定です。

JAXA EORC