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陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)による『平成21年7月中国・九州北部豪雨』にともなう緊急観測
2009年7月26日に九州北部・山口県で活発な梅雨前線の影響により局地的な豪雨が降り、各地で大雨にともなう災害が発生しました。宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)では7月27日午前10時43分頃に陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載の高性能可視近赤外放射計2型(アブニール・ツー)によって現地の緊急観測を実施しました。
図1は7月27日に取得した山口県・九州北部を観測したアブニール・ツーの全体画像です。白く見えるのは雲なので、対象地域のほとんどが雲に覆われていることが分かります。しかし、緑枠で示した付近で雲の間から地表面を観測することができました。図2は宇部市小野地区付近を拡大したものです。7月27日と災害前の2009年3月31日に観測されたそれぞれのアブニール・ツー画像から同じ場所を拡大したものです。バンド3, 2, 1を合成し、人の目で見た色に近い色(トルーカラー合成画像といいます)で表示しています。
7月27日の画像上に赤色で示した辺りは今回の豪雨にともない土砂崩れが起こっていると思われる場所を示しています。また、中央に見える湖は小野湖で、災害前と比べ茶色く濁り、水位も増していることが分かります。なお、JAXAでは今後も当該地域を継続して観測する予定です。
JAXA EORC