データセット

以下のデータについては, 改良・改善されたもの(最新バージョン)が後に別途リリースされておりますので、ユーザーの皆様には, 以下のデータ(旧バージョン)のご利用は推奨いたしません。しかしながら、既になされた研究等の遡及・再検証などでこれらが必要になる方もおられると考えますので、このページで引き続きご提供します。最新バージョンはこちら

ベトナム北部域高解像度土地利用土地被覆図
(2016年9月リリース / バージョン16.09) 

 You can switch layers with check boxes.

ファイルのダウンロード方法

データのダウンロードにはユーザ登録が必要です。ダウンロードおよびユーザ登録の詳細についてはコチラ

1. 概要

JAXA高解像度土地利用土地被覆図の初の海外領域プロダクトとしてベトナム北部地域をリリースします(以下「本プロダクト」)。経済成長が続くベトナムでは急速な環境変化が発生しているため、本プロダクトによる土地被覆とその変化情報を気候変動・農業調査等に活用することを目的として作成しています。土地被覆変化の把握が可能なように2007年と2015年を対象に分類を実施しており、それぞれ対象時期で複数衛星データ(Landsat 、ASTER、PALSARおよびPALSAR-2モザイク等)を使用しています。

2. 使用したデータ

  • データ1. Landsat 8 OLI 30m解像度199シーン (2015年)
  • データ2. Landsat 5 TM 30m解像度140シーン (2007年)
  • データ3. ASTER VA 15m解像度68シーン(2015年)
  • データ4. ASTER VA 15m解像度55シーン(2007年)
  • データ5. ALOS-2 PALSAR-2 25m解像度 モザイクデータセット(2015年)
  • データ6. ALOS PALSAR 25m解像度 モザイクデータセット(2007年)
  • データ7. SRTM-1 30m解像度と、そこから求めた傾斜のラスターマップ
  • データ8. Suomi NPP 500m解像度(2015年)
  • データ9. オープンストリートマップによる道路網ベクターデータ (© OpenStreetMap contributors) から求めた、道路からの距離のラスターマップ
  • データ10. PRISM DSMの海マスク

3. 分類方法

カーネル密度による尤度推定 (橋本ら 2014) をベースとしたベイズ推定 (Hoang Thanh Tung 2016)

4. データ形式

  • 座標系: 緯度経度直交座標系 (GRS80 楕円体、ITRF94)
  • 格納単位: 緯度経度1度単位のグリッドタイル、7,054ピクセル×7,054ライン
  • メッシュサイズ: (1/7,054) 度 × (1/7,054) 度 (およそ15m × 15mに相当)
  • ファイル命名規約: 例えば、LC_N18E106.tifは北緯18から19度、東経106から107度を示します。
  • 格納形式: GeoTIFF形式
  • 対象期間: 2007年および2015年

各画素のディジタル値は分類カテゴリのID番号であり、下記の通りです (注1):

  • #1: 水域 (Water)
  • #2: 都市 (Urban and built-up)
  • #3: 水田 (Rice paddy)
  • #4: 畑地 (Crops)
  • #5: 草地 (Grassland)
  • #6: 果樹 (Orchards)
  • #7: 裸地 (Bare land)
  • #8: 森林 (Forest)
  • #9: マングローブ (Mangrove)
  • #255: データなし (No data)

5. 精度検証および結果

入力画像とは別の衛星画像より判読した20,030箇所の検証情報を用いて精度検証を行った結果を表1と表2に示します。2015年の分類図では全体精度89.1% (表1; 注1)、κ係数0.872、 2007年の分類図では全体精度81.3% (表2; 注1)、κ係数0.781の結果を得ました。
表1 コンフュージョンマトリクス (2015年)
  Classified Producer's
accuracy (%)
1 2 3 4 5 6 7 8 9 TOTAL
Validation 1 1,096 13 31 12 1 11 3 2 2 1,171 93.6
2 3 2,429 23 66 0 25 5 0 2 2,553 95.1
3 22 49 4,066 283 9 34 99 2 6 4,570 89.0
4 6 55 98 1,712 48 108 11 28 0 2,066 82.9
5 0 1 9 29 1,246 16 75 146 5 1,527 81.6
6 0 9 8 42 6 1,650 4 32 14 1,765 93.5
7 6 40 30 29 106 19 1,738 24 13 2,005 86.7
8 1 4 6 65 275 50 35 3,603 25 4,064 88.7
9 2 1 0 0 2 2 1 1 300 309 97.1
TOTAL 1,136 2,601 4,271 2,238 1,693 1,915 1,971 3,838 367 20,030 ---
User's
accuracy (%)
96.5 93.4 95.2 76.5 73.6 86.2 88.2 93.9 81.7 --- Overall accuracy:
89.1%
表2 コンフュージョンマトリクス (2007年)
  Classified Producer's
accuracy (%)
1 2 3 4 5 6 7 8 9 TOTAL
Validation 1 1,029 17 60 18 9 13 13 2 10 1,171 87.9
2 6 2,410 18 35 2 72 5 0 5 2,553 94.4
3 48 69 3,746 404 16 137 128 5 17 4,570 82.0
4 5 70 237 1,336 106 215 65 31 1 2,066 64.7
5 0 3 20 30 1,082 19 163 206 4 1,527 70.9
6 0 20 24 41 44 1,569 34 9 24 1,765 88.9
7 6 43 26 73 296 31 1,331 193 6 2,005 66.4
8 0 7 10 42 351 69 81 3,490 14 4,064 85.9
9 16 1 2 1 1 1 0 0 287 309 92.9
TOTAL 1,110 2,640 4,143 1,980 1,907 2,126 1,820 3,936 368 20,030 ---
User's
accuracy (%)
92.7 91.3 90.4 67.5 56.7 73.8 73.1 88.7 78 --- Overall accuracy:
81.3%
注1: 精度検証は、母集団からのランダムサンプリングとは言いがたいため、κ係数も含めて、あくまで参考に留めておくことが望ましい。

図1と図2にベトナム北部域高解像度土地被覆土地利用図の結果を示します。

図1: ベトナム北部域の高解像度土地利用土地被覆図(2015年)
図1: ベトナム北部域の高解像度土地利用土地被覆図(2015年)
図2: ベトナム北部域の高解像度土地利用土地被覆図(2007年)
図2: ベトナム北部域の高解像度土地利用土地被覆図(2007年)

2007年の土地被覆図と2015年の土地被覆図を比較した結果、確認することができた土地被覆変化の例を図3に示します。

図3: 2007年の土地被覆図と2015年の土地被覆図の比較
図3: 2007年の土地被覆図と2015年の土地被覆図の比較

森林伐採の様子や、2004年~2009年頃に建造が進められたCua Dat ダムによる
ダム湖構築の様子が捉えられています。

6. リファレンス

  • 橋本秀太郎, 田殿武雄, 小野里雅彦, 堀雅裕 (2014) 多時期光学観測データを用いた高精度土地被覆分類手法の開発, 日本リモートセンシング学会誌, 34 (2), 102-112.
  • "Analysis of Land Cover Change in Northern Vietnam Using High Resolution Remote Sensing Data", Hoang Thanh Tung, Master’s thesis, University of Tsukuba, 2016.
  • NASA JPL. (2013). NASA Shuttle Radar Topography Mission Global 1 arc second. NASA LP DAAC.

Acknowledgements

  • Landsat 8 OLI and Landsat 5 TM image courtesy of the U.S. Geological Survey.
  • ASTER-VA image courtesy NASA/METI/AIST/Japan Spacesystems, and U.S./Japan ASTER Science Team (see: https://gbank.gsj.jp/madas/?lang=en#contentss for detail)
  • The SRTMGL1 data product was retrieved from the online Data Pool, courtesy of the NASA Land Processes Distributed Active Archive Center (LP DAAC), USGS/Earth Resources Observation and Science (EROS) Center, Sioux Falls, South Dakota, https://lpdaac.usgs.gov/data_access/data_pool.
  • Suomi NPP VIIRS Daily Mosaic Image and Data processing by NOAA's National Geophysical Data Center.
  • OpenStreetMap © OpenStreetMap contributors