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航空機搭載Lバンド合成開口レーダ2(Pi-SAR-L2)による小笠原諸島西之島付近の観測結果 (2) 2014年2月4日実施について

2013年11月20日16時ごろ、東京から南に約1000km、小笠原諸島の父島から西に約130kmの位置にある西之島の近海において、直径200m程度の新島が出現しました。以後、活発な噴火活動に伴って新島は成長を続け、2013年12月26日9時ごろには西之島と新島が一体化したことが確認されました。2014年2月現在も噴火活動は継続しています。
宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)は、航空機搭載Lバンド合成開口レーダ2(Pi-SAR-L2: Polarimetric and Interferometric Airborne Synthetic Aperture Radar L-band 2)*1を用いた同島の活動状況の観測を、昨日2014年2月4日に実施しました。前回の観測(2014年1月15日)の観測結果と比較して、島の面積が大きく拡大していることを確認しました。また、今回は低空飛行による光学写真の取得も行いました。

図1:小笠原諸島(父島・母島)及び西之島の位置図

図1: 小笠原諸島(父島・母島)及び西之島の位置図

図1は小笠原諸島のうち、父島・母島及び西之島の位置を示しています。

図2:2014年1月15日にPi-SAR-L2により観測された西之島付近の画像、左:西側から観測、右:東側から観測 図2(a):2014年1月15日にPi-SAR-L2により西側から観測された西之島付近の画像 図2(b):2014年1月15日にPi-SAR-L2により東側から観測された西之島付近の画像 図2:2014年2月4日にPi-SAR-L2により観測された西之島付近の画像、左:西側から観測、右:東側から観測 図2(c):2014年2月4日にPi-SAR-L2により西側から観測された西之島付近の画像 図2(d):2014年2月4日にPi-SAR-L2により東側から観測された西之島付近の画像
図2(e):Pi-SAR-L2により2014年1月15日と2月4日に観測された西之島の画像(HV偏波による差の絶対値)。南側の白い領域が2014年1月15日に比べて領域が増えていると考えられる箇所

図2: 2014年1月15日と2月4日観測結果の比較
(クリックで拡大画像へ)

(a), (b) Pi-SAR-L2により観測された西之島付近の画像(2014年1月15日)
(c), (d) Pi-SAR-L2により観測された西之島付近の画像(2014年2月4日)
(e) 2014年1月15日と2月4日のHV偏波での差の絶対値

図2は、Pi-SAR-L2で観測された西之島付近の2km四方の拡大画像で、(a)・(b)は2014年1月15日に島の西側・東側から観測した画像を、(c)・(d)は2014年2月4日に島の西側・東側から観測した画像を示しています。それぞれ、HH偏波を赤、HV偏波を緑、VV偏波を青色に割り当ててカラー合成しています。また、(e)はHV偏波での2014年1月15日、2月4日観測画像の差の絶対値を示しており、南側の白い領域が2014年1月15日に比べて領域が増えていると考えられる箇所です。19日間に概略0.12km²広がったことが推定されます。先日発表したコスモスカイメッドの画像(2013年12月31日取得) や、2014年1月15日の画像と比較して、新島が更に大きくなっていることがわかります。

図3:2014年2月4日観測時の空撮画像

図3: 2014年2月4日観測時の光学写真
カメラ: Canon EOS 5D Mark II、レンズ:EF24-105mm F4L IS USM
(クリックで拡大画像へ)

図3は同時に取得した高度400〜500mからの空撮画像で、噴煙が2か所から上がっていることが確認できます。

(*1) Pi-SAR-L2:
Pi-SAR-L2は、1996年から2011年に渡って運用されたPi-SAR-Lの改良版であり、分解能や感度を今後打ち上げ予定のALOS-2に対応したものに引き上げた航空機SARです。スラントレンジ分解能は1.76mときわめて高く、水平・垂直偏波を用いて全偏波画像を得ることができるポラリメトリ(Polarimetry)機能を持ちます。
関連サイト: http://www.eorc.jaxa.jp/ALOS/Pi-SAR-L2/index.html

関連情報:
2014/1/16: 航空機搭載Lバンド合成開口レーダ2(Pi-SAR-L2)による小笠原諸島西之島付近の観測結果について
2014/1/15: 「コスモ・スカイメッド」(COSMO-SkyMed)衛星による小笠原諸島西之島付近の海底火山噴火活動観測結果について

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