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陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)によるグアテマラ土砂災害の緊急観測結果

中米グアテマラで2010年9月上旬から続く豪雨のため、土砂崩れなどが発生し、甚大な被害が出ています。宇宙航空研究開発機構(JAXA)では2010年9月15日1時34分頃(日本時間)に陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載の高性能可視近赤外放射計2型(アブニール・ツー)*により現地の緊急観測を実施しました。

図1:2010年9月15日1時34分頃(日本時間)観測した近畿地方ののアブニール・ツー画像全体図(ポインティング角度: -19度、ピンク枠:図2〜4の範囲)

図1:今回観測した画像全体 (クリックで拡大画像へ)
観測日時: 2010年9月15日1時34分頃(日本時間)
センサ: AVNIR-2(アブニール・ツー)
ポインティング角: -19°
ピンク枠: 図2〜4の範囲

図1は今回観測した画像全体の様子を示したものです。アブニール・ツーのバンド3, 2, 1を合成したトゥルーカラーで表示しており、人の目で見た色に近く見えます。白く見えるのは雲ですが、雲の隙間から地表の様子を確認することができました。

図2〜4は、土砂災害発生後の2010年9月15日に観測した画像と災害発生前の2008年5月16日に観測した画像を比較したものです。グアテマラシティから西に約80kmの地点です。バンド4, 3, 2を合成したフォールスカラー画像で表示しており、植生が赤く見えるため土砂崩れなどにより植生が失われたところを明確にとらえることができます。
図2では黄色枠で囲ったところでは、水域を示す青色が多くなっていることにより、川が増水している様子がわかります。
図3から4の黄色枠で囲ったところでは、赤色が減少していることより植生が失われており、土砂崩れ発生箇所の可能性も考えられます。

図2:グアテマラシティから西に約80km地点の河川増水箇所の拡大(それぞれ1km四方)。左:2010年9月15日(災害発生後)、右:2008年5月16日(災害発生前)

図2: 河川増水箇所の拡大(それぞれ1km四方)
左: 2010年9月15日(災害発生後)、右: 2008年5月16日(災害発生前)

図3:グアテマラシティから西に約80km地点の土砂崩れと思われる箇所の拡大(それぞれ1km四方)。左: 2010年9月15日(災害発生後)、右: 2008年5月16日(災害発生前)

図3: 土砂崩れと思われる箇所の拡大(それぞれ1km四方)
左: 2010年9月15日(災害発生後)、右: 2008年5月16日(災害発生前)

図4:グアテマラシティから西に約80km地点の土砂崩れと思われる箇所の拡大(それぞれ1km四方)。左: 2010年9月15日(災害発生後)、右: 2008年5月16日(災害発生前)

図4: 土砂崩れと思われる箇所の拡大(それぞれ1km四方)
左: 2010年9月15日(災害発生後)、右: 2008年5月16日(災害発生前)

JAXAでは今後も当該地域を継続して観測する予定です。

* 高性能可視近赤外放射計2型(アブニール・ツー): 青域から近赤外域の電磁波を4つのバンドで観測することができる光学センサで、衛星直下を観測の際には幅70kmの範囲を地上10mで識別できる能力があります。また、東西44度まで観測範囲を変更することができるポインティング機能を有しています。2008年5月16日の画像は0度、2010年9月15日の画像は東側から19度で取得しました。

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