防災・災害

ソロモン諸島地震に関する「だいち」による緊急観測の結果について

日本時間平成19年4月2日5時39分頃(現地時間午前7時39分頃)、ソロモン諸島でマグニチュード8.1の地震が発生しました。宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、陸域観測技術衛星「だいち」による緊急観測を実施し、観測画像を解析した結果、アブニールツー(AVNIR-2)*1とパルサー(PALSAR)*2により被災地の様子を捉えることができました。

AVNIR-2で4月8日8時38分頃に(日本時間、以下同じ)、撮影した図1は、赤:緑:青にバンド4:バンド3:バンド2を割り当てたフォールスカラー画像*3です。この画像では樹木は赤色、水域は暗く見えます。図2は震源近くのギゾ島南部を拡大した画像です。図3は被災前の平成19年3月8日に撮影された同地域の画像です。図2と図3を比較すると、津波によって森林がなぎ倒されたと思われる箇所が確認できました。
図1: 平成19年4月8日観測のAVNIR-2フォールスカラー画像
図1: 平成19年4月8日観測のAVNIR-2フォールスカラー画像(クリックで拡大画像へ)
(下の地図は衛星画像の位置を示しています)
ソロモン諸島
被災後の平成19年4月8日観測のAVNIR-2画像のギゾ島南部の拡大。被災前の図3と比べると、黒丸で示した付近で、赤く見える樹木が減っている様子が分かります。これは津波による影響と考えられます。
ポインティング角の違いにより、被災前後の画像の鮮明度に違いが発生しています(被災後 -37度、被災前 0度)
図2: 被災後
図2: 被災後
図3: 被災前
図3: 被災前(被災前の平成19年3月8日観測のAVNIR-2画像の拡大)
PALSARで4月8日8時38分頃に、撮影した全体画像の図4は、降交軌道から36.9度で被災領域を観測したものです。被災前後での画像を比較した結果、切り出し領域Aにおいてプレートの衝突による地形変化と思われる陸域部分の広がりの様子を確認できました。
図4: 平成19年4月8日に降交軌道から36.9度で被災領域を観測したもので、70km四方を含む画像。
図4: 平成19年4月8日に降交軌道から36.9度で被災領域を観測したもので、70km四方を含む画像。

図4の四角の領域をPALSAR(平成19年4月8日)で観測した画像。潮位の低い図6に比べて領域Aの陸地部分が広がっていることを確認(緑線で示す)。

図5と同じ領域をPALSAR(平成19年1月31日)で観測した画像。最も潮位の低い状態の画像。
図5: 被災後
図5: 被災後(クリックで拡大画像へ)
図6: 被災前
図6: 被災前(クリックで拡大画像へ)

*1 アブニールツー(AVNIR-2):

カラー画像が得られ、衛星直下で10mの地上分解能を持ちます。

*2 パルサー(PALSAR):

衛星から発射した電波の反射を受信するマイクロ波センサーで、夜や曇天時も撮影が可能です。

*3 フォールスカラー画像:

人の目で見えるのと異なる色で見えるバンド組合せによるカラー合成画像をフォールスカラー画像といいます。ここでは、植物に感度が高い近赤外バンド(バンド4)を赤色に割り当てることで、植物の変化を見やすく表示しています。

©JAXA EORC