防災・災害

陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)による東日本大震災の緊急観測結果(25)

2011年3月11日14時46分頃(日本時間、以下同じ)、東北地方の太平洋沖(北緯38.32°、東経142.37°、深さ32km)を震源とする、国内観測史上最大となるマグニチュード9.0の地震が発生しました(地震の規模・位置については米国地質調査所(USGS)による発表を参照)。宮城県栗原市で震度7、岩手県から栃木県にかけての広い範囲で震度6強が観測されるなど、極めて強い揺れが広範囲に渡って観測されました。この地震の影響で発生した津波は、震源に近い東北地方の太平洋側では最大で10メートル以上の高さに達したと見られ、沿岸地域に甚大な被害を与えています。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、2011年4月2日9時56分頃に陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載のLバンド合成開口レーダ(PALSAR;パルサー)による現地の緊急観測を実施しました。以下に観測データの解析結果を報告します。この画像では宮城県から千葉県の太平洋沿岸の被災地のうち、特に千葉県の旭市と九十九里海岸の被災の状況を表したものです。

図1は今回観測した範囲を示したもので、赤枠がPALSARでの観測範囲を示しています。
図1: 全体図
図1: 全体図
図2は、PALSARの災害前の画像を赤に、災害後の画像を緑と青に割り当てたカラー合成画像です。図2のうち茨城県南部と千葉県の部分(黄枠の範囲)を拡大したものを図3に示します。
図2: PALSAR災害前後のカラー合成画像
図2: PALSAR災害前後のカラー合成画像 (赤:2009年11月12日観測 緑・青:2011年4月2日観測 入射角41.5度)(クリックで拡大画像へ)
図3のうち、比較的津波の被害が大きかったと見られる領域を更に拡大したものを図4(a)から(c)に示します。
図3: 茨城県南部及び千葉県の拡大図
図3: 茨城県南部及び千葉県の拡大図(クリックで拡大画像へ)
図4(a)は旭市周辺のカラー合成画像です。黄枠の部分は飯岡地区と飯岡漁港を示しています。赤色に変色している箇所は災害後に反射が弱くなったところで、津波によって家屋や港湾構造物に被害があったことを反映していると考えられます。
図4(a): 飯岡地区及び飯岡漁港拡大図
図4(a): 飯岡地区及び飯岡漁港拡大図
図4(b)・(c)は九十九里海岸の2つの海水浴場の拡大図を示しています。沿岸の大部分に赤色に変化している領域がみられており、これは津波の影響によって、防風林として植えられていた松林の倒壊と砂地の流出があった可能性を示しています。
図3: 茨城県南部及び千葉県の拡大図
図4(b): 木戸浜海水浴場付近拡大図
図3: 茨城県南部及び千葉県の拡大図
図4(c): 南浜海水浴場付近拡大図

JAXAでは今後も当該地域を継続して観測する予定です。

なお、取得された画像は、内閣府を始めとする防災関係省庁並びに地方自治体等に提供しています。

*1 パルサー (PALSAR):

フェーズドアレイ方式Lバンド合成開口レーダ。衛星から発射した電波の反射を受信するマイクロ波レーダで、夜や曇天時も撮影が可能です。

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