防災・災害

陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載のLバンド合成開口レーダ(PALSAR;パルサー)による駿河湾を震源とする地震にともなう緊急観測(2)

2009年8月11日午前5時7分(日本時間、以下同じ)頃に、東海地域で地震が発生して以降、宇宙航空研究開発機構(JAXA)では陸域観測技術衛星「だいち」を用いた緊急観測を行ってきました。以下は2009年8月16日午前0時の東名高速道路再開前の8月14日夜間に観測したPALSAR画像(地震後画像)と2007年2月6日のPALSAR画像(地震前画像)を用いた変化抽出例です。

図1は東名高速道路牧之原サービスエリア近くの崩落箇所を含む、地震後のPALSAR画像です。図2(a)は、崩落箇所近くを拡大したもので東西2.1km、南北1.3kmを切り出しています、図2(b)は比較用としての地震前画像です。黒く見える高速道路の上り車線に白く点在するのが、工事車両や重機群と思われます。下り車線は通行が無いためか、車両(白い点)は確認できません。図2(a)中の水色円Aが崩落箇所であり、この時はまだ補修工事中です。図3にこれら2枚の画像の差分干渉結果を示しましたが、牧之原サービスエリアを含む直径5kmぐらいの領域が周りに比べ赤色が濃く、1~2cm程度沈降している(か、遠ざかっている)ことがわかります。ちょうど、高速道路の崩落地が含まれた場所です。以上のことから崩落と地盤沈下は関係しているものと考えられます。
図1: PALSARが2009年8月14日に観測した御前崎市を含む画像。緑色枠内は図2の位置
図1: PALSARが2009年8月14日に観測した御前崎市を含む画像。緑色枠内は図2の位置
図2: 牧之原サービスエリア東側に発生した路肩崩落現場(A)近くの、2009年8月14日(左)と2007年2月6日(右)の比較画像。
図2: 牧之原サービスエリア東側に発生した路肩崩落現場(A)近くの、2009年8月14日(左)と2007年2月6日(右)の比較画像。 (クリックで拡大画像へ)
図3: 地震前と地震後の差分干渉画像を示したもの。図2は図中黄緑の四角の領域に対応する。
図3: 地震前と地震後の差分干渉画像を示したもの。図2は図中黄緑の四角の領域に対応する。 この近辺(赤丸枠内)は、全体に沈み込んでおり(衛星から遠ざかっており)、更に沈んだところが、カラースケールの右側の赤に対応する。このカラースケールは遠ざかる方向に青→紫→赤→黄色→黄緑→水色→青と繰り返す。 Bp(Perpendicular Baseline)は軌道間距離を示します。
©JAXA EORC