防災・災害

陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載のLバンド合成開口レーダ(PALSAR;パルサー)による駿河湾を震源とする地震にともなう緊急観測(1)

2009年8月11日午前5時7分(日本時間、以下同じ)頃、静岡県御前崎の北東約35km地点(深さ23km、M 6.5(暫定値))を震源とする地震が発生しました。これに伴う直接的な被害として、東名高速道路上り車線、牧之原サービスエリア付近で路肩崩落があったこと等が報告されています。宇宙航空研究開発機構(JAXA)では地震発生直後から陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)による緊急観測を実施しておりますが(1)、2009年8月11日午後10時2分頃、L-バンド合成開口レーダ(PALSAR)による緊急観測及び被害域抽出解析を実施しました。以下図1がPALSARで取得した画像です。
図1:2009年8月11日に取得したPALSAR画像と今回の判読位置(黄色枠部分)
図1:2009年8月11日に取得したPALSAR画像と今回の判読位置(黄色枠部分) (クリックで拡大画像へ)

図2aは図1中の矩形領域(黄色枠内)を表示したものです(オフナディア角14度)。図2bは2008年9月4日にすでに取得していた画像です(オフナディア角34度)。両方を同じ地図面に投影して、比較すると図2a内水色円内において明るい点が確認されます。これは東名高速道路下り車線にみられ、地震により崩落した斜面を修復する為の重機群からの反射と考えられます。一方、ピンク円内においては逆に以前よりも暗く映っており、地震により斜面崩落が発生し、レーダ反射が弱まったものと見受けられます。(図3a、bに各々を拡大した画像を添付します)。

更に、ピンク円については、PALSAR画像から読んだ緯度経度(北緯34度、45分、19秒、東経138度、11分、27秒)と国土地理院の撮像写真(2)をグーグルアースで照合した結果(北緯34度、45分、20秒、東経138度、11分、26秒)とで比較をしたところ、30m以内で一致していることから、PALSAR画像からも今回の路肩崩落に関する情報を得ることができたと考えております。
図2a: 2009年8月11日の画像、水色の円内で明るく、ピンクの円内で暗く見える。
図2a: 2009年8月11日の画像、水色の円内で明るく、ピンクの円内で暗く見える。 (クリックで拡大画像へ)
図2b: 2008年9月4日の画像、東名高速道路を点線で表示
図2b: 2008年9月4日の画像、東名高速道路を点線で表示 (クリックで拡大画像へ)
図3a: 図2aの拡大図
図3a: 図2aの拡大図 (クリックで拡大画像へ)
図3b: 図2bの拡大図
図3b: 図2bの拡大図 (クリックで拡大画像へ)

なお、取得した画像は内閣府、国土交通省 国土技術政策総合研究所へ提供しました。

* プリズムとアブニール・ツーから作成されたパンシャープン画像とは、2.5mのものが識別できる能力(地上分解能)を持つプリズムと、10mの地上分解能を有するアブニール・ツーを用いて、擬似的に2.5m地上分解能のカラー画像にしたものです。

** アブニール・ツー画像(もしくはパンシャープン画像)を背景とし、国土地理院発行の地図情報を重ねた防災マップです。山間部や都市部などの地形情報が分かりやすく、被災した場所の位置や規模などの状況把握手段として、JAXAが防災関係機関などに提供しています。

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