防災・災害

陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載のLバンド合成開口レーダ(PALSAR;パルサー)によるパキスタンの大雨の緊急観測結果(3)

2010年7月末に発生した記録的な大雨によりパキスタン国内で洪水が発生しました。被災地では感染症なども深刻化し各国が支援を行っています。宇宙航空研究開発機構(JAXA)では2010年8月22日14時49分頃(日本時間)に陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載のLバンド合成開口レーダ(PALSAR;パルサー)の広観測域モードによる当該地域の観測を実施しました。本観測で得られた画像と、2010年8月5日と2010年7月19日に同モードで観測した画像とを比較し、大雨の影響を確認しました。
図1: 全体図
図1: 全体図 赤枠は図2で示すPALSARの観測領域を表します。
図2は、PALSARによる変化抽出画像です。この画像は大雨前(2010年7月19日観測)のPALSAR画像を赤色に、大雨後(2010年8月22日観測)のPALSAR画像を緑色と青色に着色してカラー合成したものです。 従って、大雨後暗くなった箇所は赤色に色づき、明るくなった箇所は水色に色づきます。
図2: 大雨前後のPALSAR変化抽出画像
図2: 大雨前後のPALSAR変化抽出画像 (R:2010/7/19観測、GB:2010/8/22観測) (クリックで拡大画像へ)
図3: 各領域の拡大図
図3: 各領域の拡大図 (クリックで拡大画像へ)

図3は、図2のA、B、Cの領域を拡大したものです。それぞれの領域の左側の図は2010年7月19日観測の画像を赤色に、2010年8月5日観測の画像を緑色と青色にカラー合成したものです。また右側の図は、2010年7月19日観測の画像を赤色に、2010年8月22日観測の画像を緑色と青色にカラー合成したものです。

いずれの領域においても、2010年8月22日観測の画像では2010年8月5日観測の画像と比べて、赤色の部分が減少し、場所によっては水色に色づいています。これはインダス川周辺の冠水域が減少し、川の水量が減少していることが推定されます。

なお、JAXAでは今後も当該地域を継続して観測する予定です。

*1 高性能可視近赤外放射計2型(アブニール・ツー):

青域から近赤外域の電磁波を4つのバンドで観測することができる光学センサで、衛星直下を観測の際には幅70kmの範囲を地上10mで識別できる能力があります。また、東西44度まで観測範囲を変更することができるポインティング機能を有しています。今回の画像は東側から31.2度で取得しました。2010年3月23日および2010年4月9日の画像の画像は0度で取得しました。

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