防災・災害

陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載のLバンド合成開口レーダ(PALSAR;パルサー)によるインドネシア・ムラピ山の噴火に伴う緊急観測結果(2)

2010年10月26日、インドネシア・ジャワ(Java)島の中央部に位置するムラピ山(Gunung Merapi, 2968メートル)で大規模な噴火が発生しました。噴火はその後も断続的に続いており、これまでの死者は11月5日現在で120名を超えたと報じられています。また、噴火に伴う影響により多数の航空便が発着遅延もしくは欠航となるなどの報道もなされています。

宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)では11月5日午前11時38分(日本時間、以下同じ)頃に陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載のLバンド合成開口レーダ(PALSAR;パルサー)による観測を実施しました。
図1: 全体図
図1: 全体図 赤枠がPALSAR画像の観測位置を示す。
噴火に伴う地表面の変化を検出する為、噴火前後のPALSAR強度画像を比較して差分抽出を試みました。図2は噴火前(2007年09月12日)の強度画像を緑色と青色に、噴火後(2010年11月5日)を赤色に配色したカラー合成図です。
図2: 噴火前後の強度画像による差分抽出 噴火前
図2: 噴火前後の強度画像による差分抽出 噴火前(2007年9月12日)を水色(青+緑)、噴火後(2010年11月5日)を 赤色に配色したカラー合成画像 (クリックで拡大画像へ)
図3は図2のムラピ山周辺を拡大したものです。ムラピ山の南側斜面の広い範囲で赤色になっている(噴火前と比較して、噴火後の方が輝度値が高い)一方で、山頂から斜面に沿って青色になっている(噴火前と比較して、噴火後の方が輝度値が低い)部分が見られます。これらはいずれも火山活動に伴う地表面状態の変化を捉えている可能性があります。
図2: 噴火前後の強度画像による差分抽出 噴火前
図3: ムラピ山周辺での(左)噴火後のPALSAR強度画像、(右)変化抽出画像 (クリックで拡大画像へ)

JAXAでは今後も「だいち」によるムラピ山噴火に関する観測を継続していく予定です。

(注1) パルサー(PALSAR):
フェーズドアレイ方式Lバンド合成開口レーダ。衛星から発射した電波の反射を受信するマイクロ波レーダで、夜や曇天時も撮像が可能です。