防災・災害

陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)による2010年7月九州南部豪雨の観測結果

昨年、九州南部では活発な梅雨前線の活動により断続的に1時間あたり20~40ミリ前後の強い雨を観測し、この雨の影響と見られる土砂崩れ被害が鹿児島県南大隈町船石川地域で発生しました。宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、2010年7月10日22時53分頃に陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載のLバンド合成開口レーダ(PALSAR;パルサー)による現地の緊急観測を実施しました。

図1は今回観測した範囲を示したもので、赤枠がPALSARでの観測範囲を示しています。
図1: 全体図
図1: 全体図
図2は、PALSARでの災害前の観測画像(2007年2月14日)を赤色に、災害後の観測画像(2010年7月10日)を緑と青に割り当てたカラー合成画像です。図2の黄枠の範囲を拡大したものを図3に示します。
図2: PALSAR災害前後のカラー合成画像全体図
図2: PALSAR災害前後のカラー合成画像全体図 (赤:2007年2月14日観測 緑・青:2010年7月10日観測) (クリックで拡大画像へ)
図3は土砂崩れ発生地域を拡大したものです。SARでは一般に、地肌が写る領域は明るく写る傾向があります。黄枠で囲まれた領域は周辺に比べて青い色で覆われており、ここが土砂崩れの発生箇所である事が判読されます。
図3: 土砂崩れ発生地域の拡大画像
図3: 土砂崩れ発生地域の拡大画像

取得された画像は、内閣府および国土交通省国土技術政策総合研究所へ提供しました。

JAXAでは今後も当該地域を継続して観測する予定です。

(注1) パルサー (PALSAR):

フェーズドアレイ方式Lバンド合成開口レーダ。衛星から発射した電波の反射を受信するマイクロ波レーダで、夜や曇天時も撮影が可能です。

©JAXA EORC