防災・災害

陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)による霧島山(新燃岳)噴火における緊急観測結果(7)

2011年1月19日午前1時27分頃(日本時間、以下同じ)、霧島山(新燃岳)にて小規模な噴火が発生し、1月27日午後3時41分には大きな空気振動を伴う爆発的噴火を観測しました。その後も霧島山(新燃岳)は断続的に噴火が続いています。宇宙航空研究開発機構(以下JAXA)では1月28、29、31日、2月2、及び4日に陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載の高性能可視近赤外放射計2型(アブニール・ツー)による緊急観測を実施し(1)(2)(5)(6)、またLバンド合成開口レーダ(PALSAR;パルサー)による緊急観測を1月27、29、30日(3)、2月1(4)、3、4、及び6日に実施しました。ここではPALSARによる2月3、4、及び6日の緊急観測結果を加えて示します。

赤枠はPALSARによる2011年2月3日22時42分の観測位置(昇交軌道)、青枠は2011年2月4日10時45分と6日10時28分の観測位置(降交軌道)を示します。
図1: PALSARによる2011年2月3日(赤枠)、4日、6日(青枠)の観測位置
図1: PALSARによる2011年2月3日(赤枠)、4日、6日(青枠)の観測位置
図2左は2011年2月3日22時43分にPALSARで取得された画像で、昇交軌道による西南西方向からの観測となります。図2中央と右はそれぞれ2011年2月4日10時45分と2011年2月6日10時28分にPALSARで取得された画像で、降交軌道による東南東方向からの観測となります。図中の白枠が霧島連山(新燃岳)周辺を表します。
図2: PALSARによる2011年2月3、4、及び6日の観測結果
図2: PALSARによる2011年2月3、4、及び6日の観測結果
2011年2月3日(図2左)画像の霧島連山周辺を拡大し、同じ昇交軌道による西南西方向からの観測である2010年2月17日(噴火前)、2011年1月27、29、及び2月1日の観測結果と比較したのが図3です。それぞれの黄枠内が新燃岳です。
図3: 霧島連山周辺の拡大図(昇交軌道)
図3: 霧島連山周辺の拡大図(昇交軌道) (クリックで拡大画像へ)
2011年2月4日(図2中央)と2月6日(図2右)の霧島連山周辺を拡大し、同じ降交軌道による東南東方向からの観測である2011年1月18日(噴火前日)及び1月30日の観測結果と比較したのが図4です。それぞれの黄枠内が新燃岳です。
図4: 霧島連山周辺の拡大図(降交軌道)
図4: 霧島連山周辺の拡大図(降交軌道) (クリックで拡大画像へ)
図5は新燃岳周辺の拡大画像で、昇交軌道と降交軌道の観測結果を交えて時系列に示しています。2011年1月18日(噴火前日)の画像(図5左上)では、新燃岳の火口内に火山湖と思われる暗い領域(注1)が確認されます。噴火後の1月27日の画像では新燃岳火口内の火山湖と思われる暗い領域は確認できず、消失したものと推測されます。一方、火口内中央付近には反射が強い領域が確認され、火口内中央付近の表面が局所的に隆起しているのではないかと推測されます。また、1月29日にはその隆起していると思われる領域がやや広がり、1月30日にはさらに広がり、2月1日では火口内に大きく広がっているものと推測され、2月1日以降もほぼ同じ状態を維持しているものと思われます(注2)
図5: 新燃岳周辺の拡大図
図5: 新燃岳周辺の拡大図 (クリックで拡大画像へ)

取得された画像は、内閣府、気象庁、防災科学技術研究所などに提供しました。

JAXAでは今後も「だいち」による新燃岳周辺の観測を継続していく予定です。

(注1)水面が暗く写るという合成開口レーダの特性を利用し、火口内に境界が明瞭な暗い領域を火山湖と推定しています。

(注2)全画像オルソ補正無し。

©JAXA EORC