防災・災害

陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)によるベトナム豪雨被害の緊急観測結果

東南アジアのベトナムにおいて、2010年10月中旬からの豪雨により洪水などの被害が発生しました。宇宙航空研究開発機構(JAXA)では2010年10月23日12時33分頃(日本時間)に陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載の高性能可視近赤外放射計2型(アブニール・ツー)*1により現地の緊急観測を実施しました。

図1は今回観測した画像全体の様子を示したもので、アブニール・ツーのバンド3, 2, 1を合成したトゥルーカラー合成画像で表示しており、人の目で見た色に近くなっています。
図1:今回観測した画像全体
図1:今回観測した画像全体 (クリックで拡大画像へ) 観測日時: 2010年10月23日12時33分頃(日本時間) センサ: AVNIR-2(アブニール・ツー) ポインティング角: 0° 黄色枠: 図2~5の範囲
図2から図5は、災害後の2010年10月23日に観測された画像から、Quang Binh省のGianh川流域を拡大したものです。それぞれDong Hoi(Quang Binh省の省都)から北北西約28km、北西約32km、北西約63km、北西約73km付近です。アブニール・ツーのバンド4, 3, 2を合成したフォールスカラー画像で表示しており、植生(赤色)と冠水域(水色)が明瞭に区別できるため、冠水域を明確にとらえることができます。災害前の画像と比べ、災害後の画像ではGianh川が氾濫し、流域の農耕地や道路が冠水している様子が分かります。
図2: Gianh川の増水の様子(Dong Hoiから北北西約28km、それぞれ約6km×6kmのエリア)
図2: Gianh川の増水の様子(Dong Hoiから北北西約28km、それぞれ約6km×6kmのエリア) 左:災害後(2010年10月23日)、右:災害前(2010年4月22日) (クリックで拡大画像へ)
図3: Gianh川の増水の様子(Dong Hoiから北西約32km、それぞれ約6km×6kmのエリア)
図3: Gianh川の増水の様子(Dong Hoiから北西約32km、それぞれ約6km×6kmのエリア) 左:災害後(2010年10月23日)、右:災害前(2010年4月22日) (クリックで拡大画像へ)
図4: Gianh川の増水の様子(Dong Hoiから北西約63km、それぞれ約6km×6kmのエリア)
図4: Gianh川の増水の様子(Dong Hoiから北西約63km、それぞれ約6km×6kmのエリア) 左:災害後(2010年10月23日)、右:災害前(2010年4月22日) (クリックで拡大画像へ)
図5: Gianh川の増水の様子(Dong Hoiから北西約73km、それぞれ約3km×3kmのエリア)
図5: Gianh川の増水の様子(Dong Hoiから北西約73km、それぞれ約3km×3kmのエリア) 左:災害後(2010年10月23日)、右:災害前(2010年4月22日)

取得された画像は、国際災害チャータおよびセンチネルアジアに提供しました。

*1 高性能可視近赤外放射計2型(アブニール・ツー):

青域から近赤外域の電磁波を4つのバンドで観測することができる光学センサで、衛星直下を観測の際には幅70kmの範囲を地上10mで識別できる能力があります。また、東西44度まで観測範囲を変更することができるポインティング機能を有しています。今回の画像および2010年4月22日の画像は0度で取得しました。

©JAXA EORC