防災・災害

陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)による東日本大震災の緊急観測結果(28)

2011年3月11日14時46分頃、東北地方の太平洋沖で国内観測史上最大となるマグニチュード9.0の大地震が起こりました。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)では、2011年3月12日から行なっている当該地域の継続調査として、4月12日10時8分頃(日本時間)に陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載の高性能可視近赤外放射計2型(アブニール・ツー)*1により現地の緊急観測を実施しました。

図1は2011年4月12日に観測した画像です。アブニール・ツーのバンド3, 2, 1を合成したトゥルーカラー合成画像で表示しており人の目で見た色に近くなっています。明るい白色は雪や雲です。
図1: 今回観測した画像全体
図1: 今回観測した画像全体 (クリックで拡大画像へ) 観測日時: 2011年4月12日10時8分頃(日本時間) センサ: AVNIR-2(アブニール・ツー) ポインティング角: -26°

図2から図4はアブニール・ツーのバンド4, 3, 2を合成したフォールスカラー画像で表示しており、植生(赤色)が明瞭に区別できるため、地表面の様子をとらえることができます。

4月11日17時17分に福島県浜通りで発生したマグニチュード7.1および6.0の余震により、いわき市を中心に各地で土砂崩れが発生しました。図2は余震後の2011年4月12日と余震前の2011年4月10日に観測された画像から、常磐道のいわき勿来ICといわき湯元ICの間で土砂崩れが起きたと思われる箇所を拡大したものです。4月12日の画像中の黄枠で示した箇所を見ると、土砂崩れにより高速道路上に土砂が流出している様子を確認できます。
図2: 福島県いわき市内の常磐道の様子(約1km×1kmのエリア)
図2: 福島県いわき市内の常磐道の様子(約1km×1kmのエリア) 左図: 余震後2011年4月12日、右図: 余震前2011年4月10日
図3は余震後の2011年4月12日と余震前の2011年4月10日に観測された画像から、福島県いわき市川部町付近の土砂崩れが起きたと思われる箇所を拡大したものです。4月12日の画像中の黄枠で示した箇所を見ると、土砂崩れにより植生が失われた様子を確認できます。
図3: 福島県いわき市川部町付近の様子(約1km×1kmのエリア)
図3: 福島県いわき市川部町付近の様子(約1km×1kmのエリア) 左図: 余震後2011年4月12日、右図: 余震前2011年4月10日
図4は余震後の2011年4月12日と余震前の2011年4月10日に観測された画像から、福島県いわき市渡辺町上釜戸付近の土砂崩れが起きたと思われる箇所を拡大したものです。4月12日の画像中の黄枠で示した箇所を見ると、土砂崩れにより道路上に土砂が流出している様子を確認できます。
図4: 福島県いわき市渡辺町上釜戸付近の様子(約1km×1kmのエリア)
図4: 福島県いわき市渡辺町上釜戸付近の様子(約1km×1kmのエリア) 左図: 余震後2011年4月12日、右図: 余震前2011年4月10日

取得された画像は、内閣府を始めとする防災関係省庁、地方自治体等に提供しています。

なお、JAXAでは今後も当該地域を継続して観測する予定です。

*1 高性能可視近赤外放射計2型(アブニール・ツー):

青域から近赤外域の電磁波を4つのバンドで観測することができる光学センサで、衛星直下を観測の際には幅70kmの範囲を地上10mで識別できる能力があります。また、衛星進行方向に対して東西44度まで観測範囲を変更することができるポインティング機能を有しています。2011年4月12日の画像は西側に26度で取得しました。

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