防災・災害

陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)による東日本大震災の緊急観測結果(21)

2011年3月11日14時46分頃、東北地方の太平洋沖で国内観測史上最大となるマグニチュード9.0の大地震が起こりました。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)では、2011年3月12日から行なっている当該地域の継続調査として、3月28日9時50分頃(日本時間)に陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載の高性能可視近赤外放射計2型(アブニール・ツー)*1により現地の緊急観測を実施しました。

図1は今回観測した画像全体の様子を示したもので、アブニール・ツーのバンド3, 2, 1を合成したトゥルーカラー合成画像で表示しており人の目で見た色に近くなっています。明るい白色は雪や雲です。
図1: 今回観測した画像全体
図1: 今回観測した画像全体 (クリックで拡大画像へ) 観測日時: 2011年3月28日9時50分頃(日本時間) センサ: AVNIR-2(アブニール・ツー) ポインティング角: -44°

図2から図15は各被災地域について、3月28日に観測した画像を追加したものです。前回湾内に漂流物の係留が確認された岩手県山田町では、いまだ漂流物が係留している様子がわかります(図5)。大規模な冠水のあった宮城県仙台市から福島県相馬市までの地域では被災3日後の3月14日と比較すると、少し水が引いてきたことがわかります(図7、図8および図10)。一方、南相馬市付近では、依然広範囲に冠水していることがわかります。(図11)

図2は地震後の2011年3月19日、28日と地震前の2011年3月10日に観測された、岩手県久慈市から野田村付近の拡大画像です。津波による冠水域などに関して大きな変化は確認できません。
図2: 岩手県久慈市から野田村付近の様子(約20km×20kmのエリア)
図2: 岩手県久慈市から野田村付近の様子(約20km×20kmのエリア) 左図: 地震後2011年3月28日、中央図: 地震後2011年3月19日、右図: 地震前2011年3月10日 (クリックで拡大画像へ)
図3は地震後の2011年3月19日、28日と地震前の2011年3月10日に観測された、岩手県田野畑村から宮古市付近の拡大画像です。津波による冠水域などに関して大きな変化は確認できません。
図3: 岩手県田野畑村から宮古市付近の様子(約20km×20kmのエリア)
図3: 岩手県田野畑村から宮古市付近の様子(約20km×20kmのエリア) 左図: 地震後2011年3月28日、中央図: 地震後2011年3月19日、右図: 地震前2011年3月10日 (クリックで拡大画像へ)
図4は地震後の2011年3月19日、28日と地震前の2011年2月27日に観測された、岩手県宮古市付近の拡大画像です。津波による冠水域などに関して大きな変化は確認できません。
図4: 岩手県宮古市付近の様子 (約10km×10kmのエリア)
図4: 岩手県宮古市付近の様子 (約10km×10kmのエリア) 左図: 地震後2011年3月28日、中央図: 地震後2011年3月19日、右図: 地震前2011年2月27日 (クリックで拡大画像へ)
図5は地震後の2011年3月19日、28日と地震前の2011年2月27日に観測された、岩手県山田町から大槌町付近の拡大画像です。前回湾内に漂流物が確認された岩手県山田町では、いまだ漂流物が係留されている様子がわかります。
図5: 岩手県山田町から大槌町付近の様子(約20km×20kmのエリア)
図5: 岩手県山田町から大槌町付近の様子(約20km×20kmのエリア) 左図: 地震後2011年3月28日、中央図: 地震後2011年3月19日、右図: 地震前2011年2月27日 (クリックで拡大画像へ)
図6は地震後の2011年3月19日、28日と地震前の2011年2月27日に観測された、岩手県気仙沼市から本吉町付近の拡大画像です。雲により確認できない箇所がありますが、大きな変化は確認できません。
図6: 岩手県気仙沼市から本吉町付近の様子(約20km×20kmのエリア)
図6: 岩手県気仙沼市から本吉町付近の様子(約20km×20kmのエリア) 左図: 地震後2011年3月28日、中央図: 地震後2011年3月19日、右図: 地震前2011年2月27日 (クリックで拡大画像へ)
図7は地震後の2011年3月14日、28日と地震前の2011年2月27日に観測された、宮城県仙台市若林区付近の拡大画像です。大規模な冠水が認められた地域では被災3日後の3月14日と比較すると、場所により若干水が引いてきたことがわかります。
図7: 宮城県仙台市若林区付近の様子(約12km×12kmのエリア)
図7: 宮城県仙台市若林区付近の様子(約12km×12kmのエリア) 左図: 地震後2011年3月28日、中央図: 地震後2011年3月14日、右図: 地震前2011年2月27日 (クリックで拡大画像へ)
図8は地震後の2011年3月14日、28日と地震前の2011年2月27日に観測された、宮城県名取市付近の拡大画像です。大規模な冠水が認められた地域では被災3日後の3月14日と比較すると、場所により若干水が引いてきたことがわかります。
図8: 宮城県名取市付近の様子(約16km×16kmのエリア)
図8: 宮城県名取市付近の様子(約16km×16kmのエリア) 左図: 地震後2011年3月28日、中央図: 地震後2011年3月14日、右図: 地震前2011年2月27日 (クリックで拡大画像へ)
図9は地震後の2011年3月17日、28日と地震前の2011年2月23日に観測された、宮城県亘理町から福島県新地町付近の拡大画像です。いまだに冠水の状況に大きな変化はありません。
図9: 宮城県亘理町から福島県新地町付近の様子(20km×20kmのエリア)
図9: 宮城県亘理町から福島県新地町付近の様子(20km×20kmのエリア) 左図: 地震後2011年3月28日、中央図: 地震後2011年3月17日、右図: 地震前2011年2月23日 (クリックで拡大画像へ)
図10は地震後の2011年3月14日、28日と地震前の2011年2月27日に観測された、福島県相馬市付近の拡大画像です。大規模な冠水が認められた地域では被災3日後の3月14日と比較すると、場所により若干水が引いてきたことがわかります。
図10: 福島県相馬市付近の様子(12km×12kmのエリア)
図10: 福島県相馬市付近の様子(12km×12kmのエリア) 左図: 地震後2011年3月28日、中央図: 地震後2011年3月14日、右図: 地震前2011年2月27日 (クリックで拡大画像へ)
図11は地震後の2011年3月17日、28日と地震前の2011年2月23日に観測された、福島県南相馬市付近の拡大画像です。依然広範囲に冠水していることがわかります。
図11: 福島県南相馬市付近の様子(16km×26kmのエリア)
図11: 福島県南相馬市付近の様子(16km×26kmのエリア) 左図: 地震後2011年3月28日、中央図: 地震後2011年3月17日、右図: 地震前2011年2月23日 (クリックで拡大画像へ)
図12は地震後の2011年3月17日、28日と地震前の2011年2月23日に観測された、福島県浪江町から大熊町付近の拡大画像です。いまだに冠水の状況に大きな変化は確認できません。
図12: 福島県浪江町から大熊町付近の様子(16km×16kmのエリア)
図12: 福島県浪江町から大熊町付近の様子(16km×16kmのエリア) 左図: 地震後2011年3月28日、中央図: 地震後2011年3月17日、右図: 地震前2011年2月23日 (クリックで拡大画像へ)
図13は地震後の2011年3月17日、28日と地震前の2011年2月23日に観測された、福島県富岡町から広野町付近の拡大画像です。いまだに冠水の状況に大きな変化は確認できません。
図13: 福島県富岡町から広野町付近の様子(18km×18kmのエリア)
図13: 福島県富岡町から広野町付近の様子(18km×18kmのエリア) 左図: 地震後2011年3月28日、中央図: 地震後2011年3月17日、右図: 地震前2011年2月23日 (クリックで拡大画像へ)
図14は地震後の2011年3月17日、28日と地震前の2011年2月23日に観測された、福島県いわき市平付近の拡大画像です。いまだに冠水の状況に大きな変化は確認できません。
図14: 福島県いわき市平付近の様子(20km×20kmのエリア)
図14: 福島県いわき市平付近の様子(20km×20kmのエリア) 左図: 地震後2011年3月28日、中央図: 地震後2011年3月17日、右図: 地震前2011年2月23日 (クリックで拡大画像へ)
図15は地震後の2011年3月14日、28日と地震前の2011年2月23日に観測された、福島県いわき市小名浜付近の拡大画像です。いまだに冠水の状況に大きな変化は確認できません。
図15: 福島県いわき市小名浜付近の様子(18km×18kmのエリア)
図15: 福島県いわき市小名浜付近の様子(18km×18kmのエリア) 左図: 地震後2011年3月28日、中央図: 地震後2011年3月14日、右図: 地震前2011年2月23日 (クリックで拡大画像へ)

取得された画像は、内閣府を始めとする防災関係省庁、地方自治体等に提供しています。

なお、JAXAでは今後も当該地域を継続して観測する予定です。

*1 高性能可視近赤外放射計2型(アブニール・ツー):

青域から近赤外域の電磁波を4つのバンドで観測することができる光学センサで、衛星直下を観測の際には幅70kmの範囲を地上10mで識別できる能力があります。また、衛星進行方向に対して東西44度まで観測範囲を変更することができるポインティング機能を有しています。今回の画像は西側に44度で取得しました。

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