防災・災害

陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)光学センサによる駿河湾を震源とする地震にともなう緊急観測(2)

2009年8月11日午前5時7分(日本時間、以下同じ)頃、静岡県御前崎の北東約35km地点(深さ23km、M 6.5(暫定値))を震源とする地震が発生しました。宇宙航空研究開発機構(JAXA)では8月11, 12日に引き続き、8月13日午前10時44分頃に陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載の高性能可視近赤外放射計2型(アブニール・ツー)によって現地の緊急観測を実施しました。
図1: 2009年8月13日に取得したアブニール・ツー画像
図1: 2009年8月13日に取得したアブニール・ツー画像 (クリックで拡大画像へ) 観測日時:2009年8月13日 午前10時44分頃(日本時間) センサ: AVNIR-2(アブニール・ツー) ポインティング角度: 6.0° 緑色枠: 図2、3の範囲
図2は東名高速道路牧之原サービスエリア付近を拡大したもので、左は2009年8月13日観測、右は比較用の災害前の画像として2007年8月20日に観測されたアブニール・ツー画像です。それぞれ同じ場所の約1.3km四方を切り出したものです。黄色丸で示した場所は、ニュースでも伝えられている高速道路の路肩崩落現場です。この画像からも崩落した現場の様子を見ることができます。黄色丸内の高速道路上り車線上に見える水色や茶色の点は、復旧工事のための工事車両や資材と推測されます。
図2:路肩が崩落した東名高速道路牧之原サービスエリア付近の拡大(それぞれ約1.3km四方)
図2:路肩が崩落した東名高速道路牧之原サービスエリア付近の拡大(それぞれ約1.3km四方) 左: 災害後(2009年8月13日観測)、右:災害前(2007年8月20日観測)、黄色丸は路肩崩落現場付近。 (クリックすると高解像度画像が見られます)
図3は、今回観測されたアブニール・ツー画像と2007年3月6日に観測されたパンクロマチック立体視センサ(プリズム)で作成したパンシャープン画像(*)と、同じプリズムデータから作成した地形(標高)データ(数値地表モデル、DSM)を重ね合わせた鳥瞰図で、路肩崩落現場付近の様子を北側から見た画像となっています。崩落した箇所が中央に見えます。なお、使用したプリズム画像では走行している車が見えるため、図3のパンシャープン画像でも車が走っているように見えています。
図3: 崩落した東名高速道路牧之原サービスエリア付近の鳥瞰図
図3: 崩落した東名高速道路牧之原サービスエリア付近の鳥瞰図
図4、5は、今回撮影されたアブニール・ツー画像を用いて、JAXAが作成している「だいち防災マップ」**の背景図を差し替えたものです。図5は地形の状況を確認するために地図情報を一部除いたものになります。図4、5共に、東名高速道路牧之原サービスエリア付近の崩落地域を黄色く囲っています。
図4: 2009年8月13日に観測したアブニール・ツー画像を用いて更新した「だいち防災マップ」
図4: 2009年8月13日に観測したアブニール・ツー画像を用いて更新した「だいち防災マップ」 (クリックで拡大画像へ)
図5: 2009年8月13日に観測したアブニール・ツー画像を用いて更新した「だいち防災マップ」
図5: 2009年8月13日に観測したアブニール・ツー画像を用いて更新した「だいち防災マップ」 (地図情報を一部非表示) (クリックで拡大画像へ)

なお、取得した画像は内閣府、国土交通省 国土技術政策総合研究所へ提供しました。

* プリズムとアブニール・ツーから作成されたパンシャープン画像とは、2.5mのものが識別できる能力(地上分解能)を持つプリズムと、10mの地上分解能を有するアブニール・ツーを用いて、擬似的に2.5m地上分解能のカラー画像にしたものです。

** アブニール・ツー画像(もしくはパンシャープン画像)を背景とし、国土地理院発行の地図情報を重ねた防災マップです。山間部や都市部などの地形情報が分かりやすく、被災した場所の位置や規模などの状況把握手段として、JAXAが防災関係機関などに提供しています。

©JAXA EORC