防災・災害

PRISMとAVNIR-2による中国四川省で発生した地震に関する観測結果(3)

宇宙航空研究開発機構(以下, JAXA)では、中国四川省で発生したM 8.0の大地震に関して2008年5月18日に陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載の二つの光学センサ、パンクロマチック立体視センサ(PRISM; プリズム)と高性能可視近赤外放射計2型(AVNIR-2; アブニールツー)による現地の緊急観測を実施しました。

図1は2008年5月18日(午後12時49分頃。日本時間, 以下同じ)に取得されたPRISMとAVNIR-2画像を用いて作成した、四川省北川県(Beichuan)近くのパンシャープン画像による鳥瞰図です(3D画像、北西方向を見たもので手前側で約1kmの幅があります)。PRISMはOB2と呼ばれる直下視70km、後方視35km観測幅で撮影され、両者が重なる35km幅については地形(標高)情報(数値地表モデル; DSM)を算出することができます。図1はこれらを組み合わせて作成した鳥瞰図で、斜面のあちらこちらで発生した土砂崩れ(山肌が土色に見えている箇所)を立体的に見ることができ、その被害の大きさを推察することができます。なお、黄色で囲ったところは2007年3月31日(災害前)に観測された画像と比較して変化があったところです。
PRISMとAVNIR-2によるパンシャープン画像とは、2.5mのものが識別できる能力(地上分解能)を持つPRISM画像と、10mの地上分解能を有するAVNIR-2を用いて、擬似的に2.5m地上分解能のカラー画像にしたものです。
図1: 2008年5月23日に取得したAVNIR-2画像 (R,G,B=バンド3, 2, 1でカラー合成)

図1: 2008年5月18日(災害後)PRISM/AVNIR-2パンシャープン画像(※)による鳥瞰図

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図2: 2008年5月18日(災害後)に取得したPRISM画像

図2: 2008年5月18日(災害後)に取得したPRISM画像 (7.5km×7.5km四方) 曲山鎮(Qushan)成都の北東135km付近

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図2左は災害前の画像として 2007年3月31日(午後12時52分頃)に取得されたPRISM画像、右は災害後の2008年5月18日取得のPRISM画像です。災害前後の画像から同じ場所を切り出しています。これらの場所は北川県曲山鎮(Qushan)周辺で成都からおよそ北東に135kmの位置です。図2(1)では土砂崩れが町を覆っている様子、図2(2)では土砂によって川が堰き止められた様子、図2(3)では土砂によって道路や橋が寸断され、川が増水している様子を見ることができます。
図2(1): PRISM拡大画像

図2(1): PRISM拡大画像(左): 2007年3月31日(災害前)観測, (右): 2008年5月18日(災害後)観測 土砂崩れが町を覆っている様子(切り出し箇所は1km四方)

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図2(2): PRISM拡大画像

図2(2): PRISM拡大画像(左):2007年3月31日(災害前)観測, (右): 2008年5月18日(災害後)観測 土砂が河川を堰き止めている様子(切り出し箇所は1km四方)

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図2(3):PRISM拡大画像

図2(3):PRISM拡大画像(左): 2007年3月31日(災害前)観測, (右): 2008年5月18日(災害後)観測 土砂によって道路や橋が寸断され、川が増水している様子(切り出し箇所は1km四方)

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図3は、本日観測されたAVNIR-2のモザイク画像で、北川県が含まれるシーンを南端として5シーン分をつなぎ合わせたものです。残念ながら成都近くのシーンは雲が多く、地表の様子を見ることはできませんでした。図3内の黄色枠は図1のおよその位置を示したもので、図4の地図は図3全体の位置を示したものです。

図3: 図2の拡大画像(左: 2007年9月14日(災害前)観測, 右: 2008年5月23日(災害後)観測)
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図3: 2008年5月18日に取得したAVNIR-2画像(災害後)

図3: 2008年5月18日に取得したAVNIR-2画像(災害後) (R,G,B=バンド3, 2, 1でカラー合成, 5シーン分をモザイク, 黄色枠は図1の範囲) 北川県は成都から約135km北に位置する。

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図4: 観測場所(図1,図2,図3)の位置
図4: 観測場所(図1,図2,図3)の位置 赤枠:AVNIR-2(カラー・図1を含む)の観測範囲 青枠:PRISM(モノクロ・図2を含む)の観測範囲
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