防災・災害

陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)によるサリュチェフ火山噴火における緊急観測結果(4)

2009年6月19日に引き続き、宇宙航空研究開発機構(以下, JAXA)では6月22日午前9時53分頃に陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載の高性能可視近赤外放射計2型(アブニール・ツー)、パンクロマチック立体視センサ(プリズム)によって現地の観測を実施しました。
図1: 2009年6月22日に取得したアブニール・ツー画像
図1: 2009年6月22日に取得したアブニール・ツー画像 (クリックで拡大画像へ) 取得日時: 2009年6月22日 午前9時53分頃(日本時間) センサ: AVNIR-2(アブニール・ツー) ポインティング角度: 0° 青枠: プリズムの観測範囲 緑枠: 図2の範囲
図2はマツア島全体を切り出したもので、左は2009年6月22日、右は噴火前の2007年7月4日に観測された画像です。図中、赤線は噴火前の画像から海岸線を抽出したもので、噴火前後の画像上に重ねて示しました。噴火後の島の北西部や火山の東側の海岸線が噴火前と比較して海に拡大しているのが確認できました。これらは噴火によって流出した噴出物が海岸に達したものだと考えられます。また、2009年6月22日は噴煙が西へ流れている様子が見受けられますが、6月18日と比較すると噴火活動は沈静化しているものと考えられます。
>図2: マツア島全体のアブニール・ツーの切出し画像
図2: マツア島全体のアブニール・ツーの切出し画像 左:噴火後(2009年6月22日観測観測)、右:噴火前(2007年7月4日観測) (それぞれ約12km四方、赤線は噴火前の画像から抽出した島の海岸線、クリックすると高解像度画像が見られます)

図3は、プリズムによって観測された画像からサリュチェフ火山の火口付近を切り出したもので、左は2009年6月22日、右は噴火前の2006年9月14 日に観測された画像です。この画像から噴火後の火口は噴火前のものと比較して大きくなっていることが確認でき、噴火後の火口の直径は約390m、噴火前の直径は約350mでした。

図4はほぼ図3と同じ場所のプリズムとアブニール・ツー画像から作成されたパンシャープン画像(*)です。図3と比較して、より詳細に地表面の様子を見ることができます。
>図3: サリュチェフ火山火口のプリズム画像の拡大図
図3: サリュチェフ火山火口のプリズム画像の拡大図 左:噴火後(2009年6月22日観測観測)、右:噴火前(2006年9月14日観測) (それぞれ約2km四方、クリックで拡大画像へ)
図5は2009年6月22日観測のプリズム3方向視観測画像から抽出された地形(標高)データ(数値地表モデル、DSM)に、プリズムとアブニール・ツー画像から作成されたパンシャープン画像(*)を重ね合わせて作成したサリュチェフ火山の鳥瞰図です。島全体の様子を高精度に見ることができます。
>図4: サリュチェフ火山火口のパンシャープン画像(2009年6月22日観測)
図4: サリュチェフ火山火口のパンシャープン画像(2009年6月22日観測) (クリックで拡大画像へ)
>図5 プリズムとアブニール・ツーによるサリュチェフ火山の鳥瞰図(2009年6月22日観測)
図5 プリズムとアブニール・ツーによるサリュチェフ火山の鳥瞰図(2009年6月22日観測) (クリックで拡大画像へ)

観測された画像は気象庁へ提供しました。なお、JAXAでは今後も当該地域を継続して観測する予定です。

(*) プリズムとアブニール・ツーから作成されたパンシャープン画像とは、2.5mのものが識別できる能力(地上分解能)を持つプリズムと、10mの地上分解能を有するアブニール・ツーを用いて、擬似的に2.5m地上分解能のカラー画像にしたものです。

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