防災・災害

陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載のLバンド合成開口レーダ(PALSAR;パルサー)によるイタリア中部地震に関する観測結果について

平成21年4月6日(日本時間、以下同じ)にイタリア中部で発生したマグニチュード6.3(USGS発表)の地震による被害状況を把握する為に、宇宙航空研究開発機構(以下JAXA)は、平成21年4月23日に陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載のLバンド合成開口レーダ(PALSAR;パルサー)による現地の観測を実施しました。本観測では、平成20年7月21日に取得した同じ軌道からの画像を使用し、差分干渉処理による地殻変動状況の把握を試みました。「だいち」は南から北へ飛行しながら、震央付近の領域を観測しました 。(図2)
図2: 全体図 (クリックで拡大画像へ)
図2: 全体図 (クリックで拡大画像へ)
図1左は地震前と地震後の画像を比較した差分干渉画像、図1右は南北約150kmに渡る地震後のPALSAR画像を示したものです。図1左では震央の東、大きな被害が報告されたL'Aquilaを含む領域に明瞭な干渉縞が確認でき、少なくとも1.5周期=17.7cmの衛星から遠ざかる向きの地殻変動があったことがわかります。これは、南西傾斜の正断層運動による沈降を示していると考えられます。今回の「だいち」による観測から、本地震に伴ってL'Aquila周辺に地殻変動が生じたことが確認できました。
図1左: PALSAR差分干渉画像
図1左: PALSAR差分干渉画像 (クリックで拡大画像へ)
右: 地震後PALSAR強度画像
右: 地震後PALSAR強度画像 (クリックで拡大画像へ)

(注1) 震央の東側では青→赤→黄→緑→青の色の変化(青の領域から青の領域まで、ここまでで1周期=11.8cm。この順番の色の変化は衛星から遠ざかる変動を表わします)が約1.5周期確認されるため11.8cm×1.5=17.7cmの変動と推定されます。

JAXAでは今後も「だいち」によるイタリア中部地震被災地の観測を継続していく予定です。

©JAXA EORC