防災・災害

陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載のLバンド合成開口レーダ(PALSAR;パルサー)によるインドネシア東部・ニューギニア島地震に関する観測結果について(2)

平成21年1月4日(日本時間、以下同じ)にインドネシア東部西パプア州(ニューギニア島)でマグニチュード7.6(図中赤い星印、震央1)と7.4(図中青い星印、震央2)の2つの地震が発生しました(地震の場所、規模はUSGS発表)。これらの地震による被害状況を把握する為に宇宙航空研究開発機構(以下JAXA)は、1月14日の観測に引き続き、陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載のLバンド合成開口レーダ(PALSAR;パルサー)による現地の観測を1月26日、1月31日、2月12日に実施しました。これらの観測では、地震前に取得した同じ軌道からの画像を使用し、差分干渉処理による地殻変動状況の把握を試みました。なお解析の際、軌道情報には高精度軌道情報を用いました。「だいち」は南から北へ飛行しながら、ニューギニア島を観測しました 。
図1: PALSAR差分干渉画像
図1: PALSAR差分干渉画像 (クリックで拡大画像へ)
図2: 地震後PALSAR強度画像
図2: 地震後PALSAR強度画像 (クリックで拡大画像へ)

図1は地震前と地震後の画像を比較した差分干渉画像、図2は南北約300kmに渡る地震後のPALSAR画像を示したものです(前回観測結果も含む)。図1から震央1、震央2付近の陸域に目玉状の干渉縞が確認できます。これらはそれぞれの地震による地殻変動を表していると思われ、目玉の中心に向かって少なくとも3周期=35.4cmの衛星から遠ざかる向きの地殻変動があったことが分かります。これは地震時の断層運動に伴う北東方向への水平変動、もしくは沈降を示していると考えられます。また海岸線に沿って衛星に近づく向きの干渉縞が確認され、この領域で隆起を含む地殻変動があったことが分かります。震央から離れた画像右下にも干渉縞が見られますが、これは気象などによる影響(誤差)と思われ、地震時の地殻変動を表したものではないと思われます。地震後に継続して実施された「だいち」による観測から、本地震に伴って広い範囲に渡る地殻変動が生じたことが確認できました。

(注1) 目玉状の干渉縞では、目玉の中心に向かって、青→紫→赤→黄→緑→青の色の変化(青の領域から青の領域まで、ここまでで1周期=11.8cm。このパターンの色の変化は衛星から遠ざかる変動を、反対のパターンは衛星に近づく変動を表します。)が3周期確認されるため11.8cm×3=35.4cmの変動と推定されます。
図3: 全体図。白い枠線が前回1月14日に観測された領域(関連記事リンク)。
図3: 全体図。白い枠線が前回1月14日に観測された領域(関連記事リンク)。 (クリックで拡大画像へ)

赤い枠線がその後観測された領域。(海底地形はETOPO2、数値標高データはSRTM3、プレート境界はPB2002を参照しました。)

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