防災・災害

「フォルモサット・ツー」(FORMOSAT-2)による平成23年(2011年)台風15号豪雨災害の観測結果

2011年9月21日から22日にかけて大型で強い台風15号の通過に伴い、四国地方から北海道にかけて広範囲で記録的な大雨が続き、土砂崩れ、堤防の決壊や床上・床下浸水などが起こり、各地で被害がもたらされています。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)では、9月24日9時14分頃(日本時間)に観測、センチネルアジア*1を通じて台湾の国家実験研究院(NARL)の協力により提供された、FORMOSAT-2 (フォルモサット・ツー)*2衛星のデータ解析を実施しました。

図1は、今回観測した画像全体の様子を示したもので、フォルモサット・ツーのバンド1、2、3を合成したトゥルーカラー合成画像で表示しており、人の目で見た色に近くなっています。
図1: 今回観測した画像全体
図1: 今回観測した画像全体 (クリックで拡大画像へ)観測日時: 2011年9月24日9時14分頃(日本時間)黄色枠: 図2~4の範囲
図2は岐阜県美濃加茂市の納古口周辺の災害後の2011年9月24日に観測されたFORMOSAT-2(フォルモサット・ツー)と災害前の2010年10月18日に観測された陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載センサ、プリズムとアブニール・ツーによるパンシャープン画像*3で、トゥルーカラー画像で表示しています。黄色の枠で示した箇所では植生(緑色)と土砂崩れ(茶色)が明瞭に区別できます。
図2: 岐阜県美濃加茂市納古口周辺の様子
図2: 岐阜県美濃加茂市納古口周辺の様子 (約3km×3kmのエリア)左図:災害後(2011年9月24日)、右図:災害前(2010年10月18日)(クリックで拡大画像へ)
図3は岐阜県御嵩町の井尻周辺を拡大した画像です。黄色い枠で示した箇所で土砂崩れを確認できました。
図3: 岐阜県御嵩町井尻周辺の様子
図3: 岐阜県御嵩町井尻周辺の様子 (約3km×3kmのエリア) 左図:災害後(2011年9月24日)、右図:災害前(2010年10月18日)(クリックで拡大画像へ)
図4は岐阜県恵那市の加須里周辺を拡大した画像です。黄色い枠で示した箇所で土砂崩れを確認できました。
図4: 岐阜県恵那市加須里周辺の様子
図4: 岐阜県恵那市加須里周辺の様子 (約3km×3kmのエリア) 左図:災害後(2011年9月24日)、右図:災害前(2010年10月18日)(クリックで拡大画像へ)

取得された画像は、岐阜県、内閣府等の防災関係機関に提供しています。

なお、JAXAでは今後も、国際災害チャータ*4やセンチネルアジアの協力を得て、当該地域の観測、データ解析を継続する予定です。

*1 センチネルアジア:

センチネルアジアはアジア太平洋地域の災害管理に資するため地球観測衛星画像から得られる災害関連情報を共有する活動です。JAXAをはじめとするアジア太平洋地域の宇宙関係機関、アジア防災センター(ADRC)をはじめとする防災関係機関、国連アジア太平洋経済社会委員会(UNESCAP)をはじめとする国際機関、および大学、研究所などが協力して推進しています。得られた衛星画像、解析結果などはWebサイトに公開されています。また、WebサイトのGISにより各種の関連災害情報をGISで表示・解析することが可能です。

*2 FORMOSAT-2(フォルモサット・ツー):

FORMOSAT-2は台湾2機目の高解像度地球観測衛星です。国家宇宙計画局(NSPO、現:台湾国家宇宙センター)によって開発された初のリモートセンシング衛星で、カラー情報を持つ解像度8mの光学センサと、白黒ですが解像度2mの光学センサを搭載しています。

*3 プリズムとアブニール・ツーによるパンシャープン画像とは、2.5mのものが識別できる能力(地上分解能)を持つプリズムと、地上分解能10mですがカラー情報を持つアブニール・ツーを用いて、擬似的に地上分解能2.5mのカラー画像にしたものです。

また、フォルモサット・ツーによるパンシャープン画像とは、地上分解能2mと8mの光学センサを用いて、擬似的に地上分解能2mのカラー画像にしたものです。

*4 国際災害チャータ:

正式名称を「自然または人為的災害時における宇宙設備の調和された利用を達成するための協力に関する憲章」といい、宇宙機関を中心とする災害管理に係る国際協力枠組みの事を指します。1999年7月、仏国立宇宙センター(CNES)及び欧州宇宙機関(ESA)によって発表され、翌2000年6月、両機関長の署名を持って発効しました。2005年4月現在までに、宇宙航空研究開発機構(JAXA)を含む7つの宇宙機関が参加しています。

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