| 《 概要 》
大気へ放出されたフロンはオゾン層を破壊し、紫外線を増加させ、生物に対して有害な影響を与える可能性があります。地上においては、雲が紫外線および可視光を減衰させますが、波長が300nm付近の生物に危険な紫外線は、オゾンの総量に依存しています。オゾンの総量は、きわめて局地的にかつ短時間に変化しますが、オゾン全量分光計(TOMS)は、高分解能でオゾンの総量の分布を計測し、生物への危険性を評価することが可能です。また、TOMSは、火山の爆発に伴う二酸化イオウの検出により火山の爆発を知ることができます。1991年(平成3年)6月のピナツボ火山のような大規模爆発は、気候への影響を与えることが予想されます。TOMSのデータにより、地球を低温化する成層圏のエアロゾルの前兆である二酸化イオウの定量的評価が可能です。
TOMSは、近紫外線域の6バンドを持ち、地球大気のアルベドを測定します。アルベドは、地球の反射率とTOMSに内蔵された拡散面の反射率から測定されます。オゾンの総量は、地球の日照域の全緯度において機能するよう選択された3バンドの相対的なアルベドと、波長のさらに長い非吸収波長の反射率から求めることができます。TOMSの波長の短い5バンドは、近紫外域のオゾンと二酸化イオウによる吸収スペクトラムを示しています。二酸化イオウは通常はTOMSの検出可能レベルよりも通常は低いのですが、同じ6バンドにより検出されます。オゾンと二酸化イオウのスペクトラムは十分に違っているので解析により分解が可能です。
地上からの光線は、チョッパー・ホイールにより6バンドの波長に分光された後、光倍増管により検知されます。分光計の波長は、内蔵された水銀灯のスペクトラムにより校正されます。
《 TOMS主要諸元 》
| バンド数 |
6 |
| 観測波長帯 |
308.6、312.5、317.5、322.3、331.2、360.0nm |
| 帯域 |
1.0nm |
| オゾン全量精度 |
2%以下 |
| オゾン変化率精度 |
1% |
| 二酸化硫黄精度 |
±25% |
| 走査時間 |
6.3秒 |
| 重量 |
33.1kg以下 |
| 消費電力 |
25W以下 |
| 伝送速度 |
約700bps |
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