ALOS基本観測計画 - PALSAR -

PALSARの観測計画

PALSARの観測計画では、4つの観測モードが選択されています(下表)。モードの選択には、ユーザの要求、衛星運用の制限などが考慮されました。

PALSAR基本観測モード
Sensor mode Polarization Off-nadir
angle
Pass
designation
Caverage Time
window
Observation
frequency
Fine Beam
Single pol.
HH 34.3° Ascending Global Dec-Feb 1-2 obs/year
Fine Beam
Dual pol.
HH+HV 34.3° Ascending Global May-Sept 1-4 obs/year
Fine Beam
Polarimatric
HH+HV+
VH+VV
21.5° Ascending Regional March-May 2 obs/2 year
Fine Beam
Polarimatric
HH+HV+
VH+VV
23.1° Ascending Regional April-May 1 obs/2 year
ScanSAR
5-beam
short burst
HH 20.1°-
36.5°
Descending (a) Global
(b) Regional
Jan-Dec (a) 1 obs/year
(b) 8 obs/1 year
Fine Beam
Dual pol.
HH+HV 49.0° Ascending the Arctic Circle June-Oct 1-3 obs/year

任意の領域で、ある季節の空間的に一様なデータを取得するために、46日の衛星回帰の間は、1つの観測モードで観測が行われます。また、PALSARでは、上昇軌道(Ascending、夜間)と下降軌道(Descending、昼間)それぞれに対して、基本観測計画が作成されています。

上昇軌道(Ascending)でのデータ取得 (夜間:地方時 22時30分頃)
PALSARの上昇軌道の観測では、オフナディア角が34.3°、偏波が1偏波(HH)と2偏波(HH+HV)の2つの観測モードで、全球の繰り返し観測が行われます。毎年、観測モードと季節が同じになるように、1偏波モードは北半球が冬の時期に、2偏波モードは北半球が夏の時期になるように、観測が計画されています。

PALSAR(上昇軌道)の基本観測計画では、基本的に全球陸域観測を、34.3°の1偏波と2偏波の2つの観測モードで、1年に一回ずつ行う予定になっています。これに加え、短い期間での干渉データの取得ができるように、2年に1度、2偏波モードで2回帰連続の観測が行われます。また、いくつかの場所では、1年に3~5回の頻度で観測が行われます。 一般的に、アジア、オーストラリア、東ヨーロッパ、東アフリカなど、データ中継衛星(DRTS)を使ってデータを取得することができる領域では、観測頻度が高くなっています。一方、アメリカ、西ヨーロッパ、西アフリカでは、データ記録やデータ転送の容量の制限で、データ取得量が制限されます。

さらに、SAR多偏波や多偏波干渉などの研究促進のために、2回帰連続した多偏波観測キャンペーンが、2年に1度、高緯度地域を中心に行われます。多偏波観測モードでは大きなオフナディア角がないため、21.5°のオフナディア角が選ばれています。

PALSARの上昇軌道で、どのエリアがいつとられるかについての詳細な情報については、このページを参照してください。

下降軌道でのデータ取得(昼間:地方時 10時30分頃)
昼間の下降軌道で行われる、PRISMやAVNIR-2とのリソース競合を最小にするために、PALSARの下降軌道の取得計画では、低いデータ転送レート(120Mbps)を持つScanSARモード(HH偏波)が選ばれています。

ScanSARシナリオは、1年に1回の全球観測が計画されています。また、Lバンド電波の、”植生をある程度透過する”という特徴を生かすために、全世界の主要な湿原のモニター観測も計画されています。1年間の湿原の浸水域の変化を捕らえるために、46日毎の衛星回帰で8~9回(12~13ヶ月)連続した観測を行います。

PALSARの下降軌道で、どのエリアがいつとられるかについての詳細な情報については、このページを参照してください。


* 4つの基本観測モードに加え、いくつかの限定されたエリアでは、下降軌道で、21.5°の一偏波モードの観測が行われます。