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「だいち」(ALOS)データを用いた「ブータン氷河湖台帳」の公開について
» 説明書 (英語) (PDFファイル、429KB) ····
» 「氷河湖インベントリ」(Ver. 12.03) (Zipファイル、1.63MB) ···· 宇宙航空研究開発機構(JAXA)では、陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)の観測データを用いたブータン王国における最新の氷河湖の情報(緯度経度, 面積, 長さ, 幅, 標高等)を高精度に調査した「氷河湖台帳(インベントリ)」の整備を進めてきました。ブータン・ヒマラヤ地方の整備が終わりましたのでバージョン12.03として公開します。 ブータンやネパールといったヒマラヤ地方では、氷河から融け出した水分によって湖(氷河湖)を形成していますが、近年この拡大が急速に進んでいると言われます。氷河湖は自然の岩や瓦礫(モレーン)によって堰き止められているため、いつ決壊するか分からない状況で、下流で生活する人々の安全を脅かしています。この氷河湖の決壊にともなう洪水は「氷河湖決壊洪水」(GLOF; グロフ)(※1)と呼ばれ、現地で深刻な問題となっています。しかしこれまで、どのくらいの大きさの氷河湖が、どのように分布しているのか正確に把握されていない状況でした。
本台帳はブータン国内を8つの主要河川流域と中国チベット自治区側の合計9地域に分け整備しており、合計733の氷河湖を抽出しています。抽出した氷河湖の総面積は約82.5平方キロメートル、これは東京のJR山手線内側面積の約1.3倍の大きさに相当します。本台帳は近年の氷河湖の実態を初めて詳細に調べたもので、グロフの対策や危険度の評価、氷河湖の拡大監視等への利用が期待されます。 JAXAではブータン王国経済省地質鉱山局と国内15機関(*)との協力の下、氷河湖の現状を把握し、氷河湖決壊洪水の危険度を客観的に評価するために、(独)科学技術振興機構(JST)と(独)国際協力機構(JICA)による「地球規模課題対応国際科学技術協力事業」(SATREPS)において「ブータンヒマラヤにおける氷河湖決壊洪水に関する研究」(研究代表:名古屋大学)を実施してきました。今回公開する「氷河湖台帳」は本研究の成果であり、「だいち」(ALOS)に搭載されている高性能可視近赤外放射計2型(AVNIR-2; アブニール・ツー)(※2)とパンクロマチック立体視センサ(PRISM; プリズム)(※3)による2006年から2011年の観測データを用いて作成しています。アブニール・ツーとプリズムから作成したパンシャープン画像(※4)から目視で水域を抽出し、一定の条件(※5)で氷河湖を抽出しました(一部は被雲のためアブニール・ツーのみ使用)。また、整備した衛星データおよび氷河湖インベントリはカウンターパートである地質鉱山局に提供し、継続的な氷河湖の拡大監視等、今後ブータン国内において活用される予定です。 * 名古屋大学、立教大学、北海道大学、(独)防災科学技術研究所、広島工業大学、(独)海洋研究開発機構、一般財団法人リモート・センシング技術センター、新潟大学、総合地球環境学研究所、(株)地球システム科学、弘前大学、日本大学、帝京平成大学、群馬大学、慶應義塾大学との協力による成果。
図1: ブータン全域のパンシャープン画像(赤線:河川流域界)と 図2: マンデ川流域上流部の拡大(緑線:河川流域界, 赤:公開する氷河湖台帳) 用語解説
※1)氷河湖決壊洪水(GLOF; グロフ)
※2)高性能可視近赤外放射計2型(AVNIR-2; アブニール・ツー)
※3)パンクロマチック立体視センサ(PRISM; プリズム)
※4)パンシャープン処理
※5)氷河湖の選定条件
※6)小氷期(Little Ice Age)
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