TRMMは2001年1月に所期の目的である三年間の定常運用を達成致しました。現在は後期運用期間に入り、順調にデータを取得しています。しかしながら、NASAの最新の解析によって、当初予想されていた約3年間の後期運用期間が大幅に短縮されることが判明しました。このため、NASDAとNASAは、充分な期間の後期運用を行うことを目的として、衛星高度を現在の350kmから約400kmに変更することを決定致しました。
400km軌道での運用のために各センサのアルゴリズム改修が必要であることから、軌道変更後しばらくの間、標準プロダクトのデータ提供を停止致します。提供停止期間中のプロダクトは、提供再開後に過去にさかのぼって再処理を行う予定です。TRMM軌道変更の日程とデータ提供スケジュールに関しては下記の通りです。皆様には御迷惑をおかけ致しますが、御理解と御協力をお願い申し上げます。
[スケジュール]
2001年8月7日 軌道高度変更開始(予定)
2001年8月13日 軌道高度変更終了(予定)
[一般向けデータ提供開始予定日]
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準リアルタイム |
標準プロダクト |
PR |
2001年8月21日 |
2002年2月 |
TMI, VIRS |
停止なし |
2001年11月 |
LIS |
|
2001年11月 |
[TRMM PI*向けデータ提供開始予定日]
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標準プロダクト |
PR |
2001年9月7日 |
TMI, VIRS, LIS |
停止なし |
*:第3回研究公募で採択された研究者です。
[高度変更による影響]
- 衛星バス及びTRMMマイクロ波観測装置(TMI)、可視赤外観測装置(VIRS)、雷観測装置(LIS)について**
衛星の信頼度及び上記のセンサには、軌道高度変更による大きな影響はないことが、NASAより確認されています。
**: 雲及び地球放射エネルギー観測装置(CERES)は現在運用を停止しています。
- 降雨レーダ(PR)に対しては、軌道高度が高くなることの影響として、以下のことが考えられます。
- 若干の感度低下があること
- パルス送受信のタイミングがずれることから、データにノイズが入る可能性があること
- 熱帯付近で観測できる降雨頂高度が低下する可能性があること
等が挙げられます。しかしこれらは現状のPRデータを用いた研究課題に対して影響は少なく、基本的に支障はないと考えています。
軌道高度変更に関して、さらに詳細な説明は、以下の資料を御参照願います。