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韓国の集中豪雨


  1998年7月31日の午後10時12分から16分(日本時間)にかけてTRMM搭載降雨レーダ(PR)が捉えた韓国南部の集中豪雨の画像です。中国・東部の平原で強い雨を降らせた前線が衰えないまま東進したことにより、 土砂崩れや濁流などによる死者が出るなど韓国南部に大きな被害をもたらしました。翌日の新聞報道によれば、1998年7月31日夜から8月1日午後7時までに全羅南道順天で226mmの降雨量を記録したのを最高に、慶尚南道山清で203mm、全羅南道海南で103mmを記録しました。 特に7月31日の夜、全羅南道の順天地区で記録した降雨量は1時間当たり128mmに達し、同国気象観測史上最大の降雨量を記録しました。

 この夏は、東北・北陸では梅雨明けが発表されず、また新潟・北陸地方での大雨や、中国・長江での大洪水など前年の大規模なエルニーニョが発生して以来、異常気象が各地で発生しています。異常気象の解明に、TRMM衛星のデータが役立つことが期待されています。

 左図は高度2kmにおける降雨の水平分布です。瞬間的に数10mm/hr以上の非常に強い雨が観測されています。降雨の強い領域が数ヵ所存在していたことも確認できます。
 右図は降雨の鉛直断面です。場所によっては地上から14kmという、非常に高い高度まで降雨が観測されて います。


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