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第7回全球降水観測計画(GPM)国際ワークショップ

2007年12月5日(水)~7日(金)

本ワークショップにおいては、これまで6回に渡って開催されたワークショップと同様、プログラム、技術、サイエンス、地上検証、データ利用など、 GPMのあらゆる側面における情報交換と、パートナーシップの促進を目的として開催されました。また、日本で行うことから、これらの議論に加えて、中国、韓国、タイ、マレーシア、フィリピン等、アジアの宇宙機関及び気象・水文機関代表者が集まり、 GPMデータのアジア域での利用について議論を行いました。

日時: 2007年12月5日(水)~7日(金)

主催: 宇宙航空研究開発機構(JAXA) 情報通信研究機構(NICT) 米国航空宇宙局(NASA)

第7回全球降水観測計画(GPM)国際ワークショップの開催結果

2007年 12月 5日

平成19年12月5日から7日の3日間にわたり、第7回全球降水観測計画(GPM)国際ワークショップが東京のベルサール九段で開催されました。参加者の国/地域は、日本を含めて17カ国に及び、合計で137名の参加がありました。

初日には、GPMに参加、あるいはGPMデータの利用を計画している世界の各国、各機関が集まり、それぞれの計画、準備状況の報告を行いました。今回は、主衛星開発機関に加えて、副衛星開発機関として、米国NOAA、ブラジル(AEB及びINPE)と中国(NSMC)、 インド(ISRO)、フランス(CNES)の出席がありました。ブラジル(INPE)では正式に、2007年度から2011年度予算に、衛星開発費が認められたとの報告がありました。また中国からは詳細なFY-3シリーズ計画についての説明がありました。

初日にはさらに、これら副衛星を含めたGPMデータ交換を促進するための議論のセッションを設け、各衛星データ提供機関の進捗を、専用ホームページを通じて互いに情報公開していくことや、そのための今後の窓口担当者の確認などを行って、作業を進めました。

2日目午前は、アジア各国の、ユーザー機関としての気象・水文現業機関代表者による発表がありました。各国において、近年インターネット環境が進歩してきたのに伴い、2年前にはまだ僅かであったTRMMデータの利用が、著しく進み、 またGPM計画への理解が深まりその期待も高まっていることが表明されました。結果として、2008年度中に、アジアの関係機関を集めて、主として地上検証とデータ利用について話し合うための、GPMアジアワークショップ(仮称)を開催することをJAXAより提案し、 3日目の総合討論の場において、関係機関から歓迎の意を持って受け入れられました。

2日目午後及び3日目午前には、高緯度地域の降雪観測、降水システム気候学、数値天気予報、大気モデル、水文学、高分解能の降水マップや洪水予測への利用など、気象・気候・水文や実利用の分野についてセッションが設けられ、 これらの分野でのGPMデータの利用や新たな可能性について発表が行われました。また、アルゴリズム開発及び校正検証についてのセッションでは、GPMのアルゴリズム開発やデータ検証についての現状や将来計画についての発表がありました。

本ワークショップは毎年一度、基本的には日米持ち回りで開催し、1年間のGPM計画の、各国・各機関における進捗状況などを報告する会議ですが、今回特筆すべき点としては、衛星・センサの開発関係機関それぞれにおいて、よりGPMが現実味を帯び活動が加速しつつあることと、 アジアでの衛星データハンドリング能力が急速に高まっていることと相まってGPMへの期待が高まっていることが挙げられます。