Newsオーストラリア森林火災

オーストラリアでは、2019年9月から2020年2月まで、大変大きな森林火災が続いていました。この火災の多くの原因は、干ばつによるもので大きな被害が出ました。
図1は、GOSAT-2で2019年12月7日に観測されたオーストラリア東海岸の火災の様子です。画像は、GOSAT-2/TANSO-CAI-2で撮られたもので、丸いマーカーは、GOSAT-2/TANSO-FTS-2で同時に観測された地点を示しています。GOSAT-2/TANSO-FTS-2では、太陽の地表面反射光と大気からの熱放射を同時観測しているため、取得されたデータから、CO2濃度を対流圏の上層(4-12km)と下層(0-4km)の2層に分けて算出することができます。
左図(a)では、その観測地点の対流圏上層と下層の二酸化炭素(CO2)濃度を示し、右図(b)では、一酸化炭素(CO)濃度をマーカーで色別に示しています。
TANSO-CAI-2の画像から、右側の海岸付近で火災によるとみられる煙が上がっているのが分かります。その煙付近のマーカーが示すように、上層よりも下層の方のCO2濃度が高くなっています。これは、上層よりも下層の方が、より地上からの排出影響を受けやすいため、森林火災によるCO2濃度増加を検知していると考えられます。また、COはCO2に関連して森林の低温燃焼により発生するため、同様にCO濃度も0.27 [ppb]と高くなっていることが分かります。
GOSAT-2、対流圏の上層下層のCO2濃度データは、GOSATとともに全球観測と、世界の大都市の集中観測の結果を下記のサイトから公開中です。どうぞご覧ください。
GOSAT/GOSAT-2 EORC Daily Partial Column GHGs

※カラー画像は、TANSO-CAI-2のバンド2(443 nm)、バンド3(674 nm)、バンド1(343 nm)の各データをRGBに割り当て作成。

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図1. GOSAT-2/TANSO-CAI-2で撮影されたオーストラリア東海岸の火災の様子とGOSAT-2/TANSO-FTS-2で観測されたCO2濃度(a)とCO濃度(b)

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