プロダクト検証
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EarthCAREの目標とプロダクト検証

EarthCAREは下記3つの目標を掲げています。

  1. EarthCARE観測データの研究成果による雲・エアロゾルに関する気候変動メカニズムの科学的根拠追究への貢献
  2. 雲・エアロゾルに関する気候変動メカニズムの気候モデルへの反映による適応策の検討への貢献
  3. 気象予報分野や大気環境分野における現業機関の数値モデルやシステムでの実利用を実現

プロダクト検証活動を通じて、品質と信頼性の保証されたEarthCAREプロダクトを提供することでこれらの目標を実現するための基盤となります。JAXAではプロダクト検証計画を策定し2024年5月のEarthCARE衛星打上げ以降、プロダクト検証を進めています。

プロダクト検証計画概要

EarthCARE JAXA レベル2(L2)標準プロダクトは特定のセンサのみを用いるL2aプロダクトと複数センサを複合的に用いるL2bプロダクトに大別されます。L2aとCPR-ATLID複合 L2bプロダクトは打上げ9か月後、それ以外のL2bプロダクトは打上げ18か月後にリリース予定です。そのリリースまでに地上観測や他衛星観測との比較によりEarthCAREプロダクトの品質を評価し、プロダクトと共に公開する計画です。

検証はJAXA EarthCARE検証チームにて実施します。本チームはJAXA地球観測研究公募のPIを主とする国内の大学/研究機関の専門家チームであり、各プロダクトに実施担当者がアサインされています。欧州宇宙機関(ESA)とは検証に関する情報共有のみならず、国際ワークショップの開催等を通じ、日本と欧州の研究者間交流を推進します。また、ドイツ航空宇宙センター(DLR)、米国海洋大気庁(NOAA)など海外機関とも協力し、検証用地上観測データ・航空機キャンペーン観測データや検証に関する科学的知見の共有等を計画しています。さらにGCOM-C等、他のJAXA地球観測衛星グループとも協力し、検証活動を効率的に進める計画です。

標準プロダクト検証用データ

表1は各標準プロダクトの検証に用いる主な観測データをまとめたもの、図1は検証用地上観測データの地理的分布を示したものです。小金井市にあるNICT本部にはレーダ、ライダー(HG-SPIDER、MFMSPL等)をはじめとしたEarthCARE検証用測器を集中的に配置しており、主要な地上観測サイトとして位置付けています。

表1 標準プロダクトに用いる検証用データ
プロダクト名 検証用データ
CPR単体エコープロダクト NICT小金井検証サイト, WINDAS, 防災科研Kaレーダ群, CloudSat(気候値), 航空機観測
CPR単体雲プロダクト
CPR-ATLID複合雲プロダクト
CPR-ATLID-MSI複合雲プロダクト
NICT小金井検証サイト, 防災科研Kaレーダ群, A-Train(気候値), 航空機観測, マイクロ波放射計
ATLID単体雲エアロゾルプロダクト AD-Net, SAVERNET, SKYNET, AERONET, CALIPSO, Aeolus
MSI単体雲プロダクト 全天カメラ, GCOM-C, Himawari, BSRN, スカイラジオメータ, マイクロ波放射計
4センサ複合放射収支プロダクト BSRN, GEBA, CERES, BBR, A-Train(気候値)

検証用地上観測地点の分布
図1 検証用地上観測地点の分布