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EarthCARE レベル2解析フロー

EarthCAREに搭載された4つのセンサから得られる情報は、大気微粒子(エアロゾル)分布、雲内の鉛直移動速度(ドップラー速度)、雲分布(雲マスク)、雲粒子の相・形状識別(雲粒子タイプ)、雲微物理量、降水特性、放射フラックスなどの物理量ですが、各センサの観測方式の違いから、それぞれの物理量に対する感度の有無や特性はセンサによって異なります。

異なる方式のセンサから得られた情報を統合した複合プロダクトの作成には、各センサの観測方式の違いや、感度特性の理解をふまえて処理をすすめる高度な計算過程(アルゴリズム)が必要不可欠です。

JAXAおよびNICTでは、CPR、ATLID、MSIの各単体センサプロダクト、およびこれらの2センサ、3センサ、さらにBBRを加えた4センサの複合プロダクトを作成するためのアルゴリズムを開発しています。

JAXAレベル2解析モデル

上の図は、各センサのレベル1bに含まれる工学値データから、レベル2のセンサ単体プロダクト、およびセンサ複合プロダクトにおける高次物理量が導出される解析過程を概念的に示したものです。

CPR、ATLID、MSI単体から得られたそれぞれの観測情報は、各センサの観測特性を考慮したセンサ複合アルゴリズムによる計算処理を経て、より高精度なエアロゾル・雲・降水およびそれらの光学特性に変換されます。

これらのエアロゾル・雲・降水に関するパラメータは、放射伝達モデルへのインプットとして、大気中の鉛直各層における放射量の計算に応用されます。

そして、放射伝達モデルで計算された放射量は、BBRが観測した大気上端における放射量との整合性比較によって最適な補正がなされ、EarthCAREの最終的な目標である「太陽、および地球放射による短波・長波放射フラックス」「短波・長波放射による大気加熱率の鉛直分布」が導出されるのです。