CPR校正

校正の種類と頻度

CPRは、送信機と受信機の性能確認やドップラー速度精度の向上を目的とした機能を有しています。この機能には、通常観測モードと、内部校正1モード、内部校正2モード、外部校正モード、海面校正モードという5つのモードがあり、CPR機器の校正に有用なデータを取得します。

初期校正検証運用期間においては、観測モード、および各種校正モード(内部校正、外部校正、海面校正)により取得された校正用データを用いて CPR の校正を行います。校正の種類、内容、および測定項目は以下の通りです。

目的 測定項目
通常観測時 受信機の受信電力と送信機の送信電力の校正を目的とする。
①と②は受信電力、③は送信電力を校正するために使用する。
①Hot Load noise power
②Nominal Load noise power
③Tx power
④Log入力終端時の電力
内部校正1 信号処理部のLog検波、IQ検波特性の経年変化を修正することを目的とする。
内部校正モードのデータを120秒間取得する。
①対数検波器直線性
②IQ検波系直行性
③IQ検波系AD変換器直線性
④IQ検波オフセット電圧
内部校正2 信号処理部のIQ検波の温度依存性の校正を目的とする。
内部校正データを地球1周回(約92.5分)にわたって取得する。
外部校正 地上に設置した外部校正機を用いて、レーダー機能校正における受信感度の校正、
およびドップラー計測機能の校正を行うことを目的とする。NICTにより実施。
①CPR送信電力
②送信アンテナパターン、送信アンテナビーム方向
③受信利得
④機器内の遅延時間
⑤オーバーオールの性能
海面校正 衛星が姿勢を傾ける運用を行う際に観測した海面散乱データを用いて
校正を行うことを目的とする。実施時間は約420秒。
①強度信号
②ドップラー速度信号

初期校正検証運用期間および定常運用期間における各種校正モードのデータ取得の上限回数については、ESAとの取り決めにより下の表のように定めています。なお、内部校正1と内部校正2は同じ内部校正モードですが、運用上の設定と運用時間が異なります。

校正モード運用実施頻度
Calibration 初期校正期間における
校正モード観測上限回数
定常運用期間における
校正モード観測上限回数
1 内部校正1 2/cycle 1/cycle
2 内部校正2 1/3 months 1/3 months
3 外部校正 up to 4/cycle 1 or 2/cycle
4 海面校正 2/cycle 1/cycle